日本の高級車の代名詞として長く愛されてきたクラウンですが、2018年に登場した220系はこれまでの「おじさんっぽさ」を脱ぎ捨てて、驚くほど若々しくスポーティな姿に生まれ変わりました。外観がこれだけガラリと変わったとなると、気になってくるのはやはり車の中の作り込みです。歴代のクラウンが大切にしてきた「至れり尽くせりな豪華さ」が、この新しい形の中でどう変化したのかは、ファンならずとも知っておきたいところでしょう。
220系クラウンの内装は、それまでの「豪華な応接間」のような雰囲気から、運転する人が主役になる「格好いい仕事場」のような空間へと舵を切っています。特に後部座席の広さについては、車体全体の形が後ろに向かって滑らかに下がるクーペのような形になったことで、足元のゆとりと頭の上の広さのバランスがこれまでのモデルとは少し変わっていました。実際に使ってみてわかった、手に触れる場所の質感や、家族を乗せた時の素直な感想など、カタログの数字だけでは見えてこない細かな使い勝手についてお話ししていきます。
220系クラウンの内装は高級車らしいの?
歴代のクラウンといえば、ドアを開けた瞬間に広がる「分厚いシートとキラキラした装飾」が定番でしたが、220系は少し雰囲気が違います。走りの良さを追求した分、内装の作りも無駄を削ぎ落とした機能的な美しさへとシフトしていました。実際に座ってみてわかった、今の時代のクラウンが目指した質感のあり方について見ていきましょう。
手に触れる場所のしっとりとした感触
運転席に座ってまず驚くのは、ステアリングやシフトノブを握った時のしっとりとした肌触りです。220系では、手に触れる機会が多い場所に本革や質の高い合皮がふんだんに使われていて、指先から伝わってくる感触がとても柔らかいと感じました。特に「RS」というグレードでは、少しスポーティな味付けがされていて、滑りにくくしっかりと手に馴染む感覚が強められています。ダッシュボードの表面にも、細かなステッチが施されたソフトパッドが使われていて、どこを触ってもカチカチとしたプラスチックの冷たさを感じさせない作り込みには、やはりクラウンとしての意地を感じます。
ただ、この「しっとり感」が長年続くかどうかは、お手入れのしやすさにかかっているとも言えます。合皮の面積が広いため、夏の暑い時期や湿気が多い日には、少しベタつきを感じる場面があるかもしれません。それでも、ドアを閉めた瞬間に外界から遮断されるような静かさと相まって、この柔らかな素材に囲まれる安心感は格別なものです。正直なところ、昔のような「これでもか」という派手な装飾はありませんが、質の良い素材をさりげなく使う今のやり方は、現代の高級車としてとても洗練されているように見えます。
前期と後期で劇的に変わったナビの見た目
220系クラウンを中古で探している人が一番迷うのが、2020年を境にしたナビ画面の変化ではないでしょうか。前期型では、上下に2つの液晶が並ぶ独特な形をしていて、上が地図、下がエアコンなどの操作用と役割が分かれていました。これが後期型になると、横に長い大きな12.3インチの1枚画面に統一され、見た目のすっきり感が劇的に向上しています。実際に横に並べて見比べてみると、後期型の1画面の方が今の時代の車らしく、視界も広々と感じられるのが不思議なところです。
このナビの変化は、単に見た目が新しくなっただけではなく、車内の空気そのものを変えてしまいました。前期の2画面は、ガジェット好きにはたまらないメカメカしさがありますが、初めて乗る人には少し複雑に見えてしまうこともあります。一方で、後期の大きな1画面は、タブレットを眺めているような直感的な操作感があって、助手席からも情報が見やすくなっています。実際のところ、ナビの見た目だけで年式を言い当てられるほど印象が違うので、この画面の好みが車選びの分かれ目になるのは間違いありません。
選ぶグレードで変わるパネルの柄
車内の雰囲気を決定づける装飾パネルですが、220系は選ぶグレードによってその表情がガラリと変わります。スポーティな「RS」を選ぶと、カーボン調の幾何学的な模様が採用されていて、シルバーの縁取りと合わさってとても精悍な印象を受けました。これまでのクラウンの代名詞だった「木目調」が似合わないほど、RSの室内は若々しくて攻めたデザインになっています。ハンドルを握っているだけで、どこまでも走りに行きたくなるような、そんな気分にさせてくれる演出です。
一方で、落ち着いた「G」や「S」といったグレードを選ぶと、木目調のパネルが使われていて、いつものクラウンらしい安心感に包まれます。ただし、この木目も昔の「赤茶色でピカピカ」したものとは違い、少しマットで深みのある色合いに調整されているのが現代風です。実際のところ、同じ220系でもパネルの柄一つで「お洒落なセダン」に見えるか「伝統の高級車」に見えるかが決まってしまいます。自分のライフスタイルにはどちらがしっくりくるか、ここはカタログを眺めるだけでなく、実物を見てじっくり悩むのが一番楽しい時間になるはずです。
樹脂パーツが目立つ場所の安っぽさ
全体の質感は高いのですが、じっくりと細部を観察していくと、少し残念に感じる場所も隠れていました。例えば、ドアの内側にあるドアハンドル周りや、センターコンソールの下の方など、視線から少し外れる場所には、どうしてもプラスチックの質感が隠しきれていない樹脂パーツが使われています。これまでのクラウンを知っている人からすると、「ここはもっと豪華にできたのではないか」と少し寂しく思ってしまうかもしれません。
特に、パワーウィンドウのスイッチ周りや、収納の蓋の開閉時の感触など、細かい操作感にプラスチック特有の軽さが残っている場所がいくつかありました。欧州車を強く意識して「走りの性能」にお金をかけた分、目に見えにくい場所の飾り付けが少し削られてしまったのかな、というのが正直な感想です。実際のところ、普段使いで困ることは何もありませんが、1000万円近い車を乗り継いできた層からすると、こうした細かな場所の「素っ気なさ」が安っぽく映ってしまうリスクは否定できません。高級車としての基準をどこに置くかで、評価が真っ二つに分かれるポイントです。
後部座席のゆとりと座り心地
クラウンといえば「後ろの席に乗る人を大切にする車」の代表格ですが、220系はスポーティな形になった分、その広さが気になるところです。車体の土台を新しくしたことで生まれたゆとりと、見た目重視の形ゆえの意外な落とし穴について、座った時の実感をお伝えします。
先代よりも70ミリ伸びた足元のゆとり
220系クラウンは、前後のタイヤの距離を先代よりも70ミリほど長く設計しています。この数字、一見すると小さく思えますが、実際に後ろの席に座ってみるとその恩恵は絶大でした。足を前に投げ出しても、前の席の背もたれに膝がぶつかることがなく、大人の男性でもゆったりとくつろげる空間が確保されています。これだけの足元の広さがあれば、長距離のドライブでも足がむくんだり窮屈に感じたりすることはまずないでしょう。まさに「移動する応接間」としての実力は、新しい形になっても健在でした。
ただ、この広さはあくまで「前後」の話です。車内の幅そのものは先代と大きく変わっていないので、大人3人が横に並んで座るとなると、やはりそれなりの密着感は避けられません。実際のところ、220系は「後ろに2人が贅沢に座る」のが一番心地よい使い道だと言えます。真ん中の席は足元の床が盛り上がっていることもあり、あくまで補助的な場所として考えるのが自然です。セダンとしての本分である、後ろに乗る人への「もてなし」の心は、この伸びやかな足元の広さにしっかりと表現されていました。
背の高い人が気になる頭の上の狭さ
足元があれだけ広い一方で、背の高い人が座る時に少し注意したいのが天井の低さです。220系は、外から見た時の流れるようなシルエットを実現するために、屋根の後ろ側を低く絞り込んだ「クーペスタイル」を採用しています。これが格好良さの源なのですが、車内に入ってみると、身長180センチ近い人だと頭の上が少し心細く感じることがありました。髪の毛が天井に触れそうになる感覚は、昔の四角いクラウンに慣れている人からすると、少し圧迫感を覚えるかもしれません。
特に、乗り降りの際に頭を少し深く下げる必要があるのも、この形の宿命です。実際のところ、座ってしまえばシートの角度が絶妙なので落ち着きますが、視界に入る窓の面積も少し小さめなので、包み込まれるような感覚を「安心感」と取るか「狭さ」と取るかで好みが分かれます。正直なところ、家族で使う場合に背の高いお子さんがいるなら、一度実際に乗り降りをして頭の上の空間を確かめておくのが良いでしょう。格好良さと広さ、どちらを優先するかという、現代のセダンならではの悩ましい選択がここにあります。
後ろに人を乗せるなら外せない装備
220系クラウンの後ろの席を本当の意味で「特等席」にするなら、グレード選びがとても重要になります。例えば、上級グレードの「エグゼクティブ」を選ぶと、後ろの席にも電動で背もたれの角度を変えられるリクライニング機能が付いてきたり、冬場に嬉しいシートヒーターが備わっていたりします。これらの装備があるだけで、移動の快適さは別次元のものになります。ただ座るだけの場所から、心からリラックスできる休息の場へと変わるわけです。
反対に、標準的なグレードだとこうしたおもてなし装備が省かれていることが多く、少し素っ気なく感じてしまうかもしれません。実際のところ、中古車市場でも「リアコンフォートパッケージ」などのオプションが付いている車両は、後ろに乗る人への配慮を大切にするオーナーから絶大な人気があります。誰を乗せて、どんな風に過ごしたいのか。もし大切な人を招くことが多いなら、シートの調整機能やエアコンの温度を後ろで操作できる装備が付いているかどうかは、絶対に妥協してはいけないポイントです。
センターアームレストでできる細かな操作
後部座席の真ん中にある肘掛け、いわゆるセンターアームレストを下ろすと、そこにはクラウンらしい魔法のスイッチが隠されています。上級グレードであれば、ここに液晶パネルやボタンが配置されていて、後ろに座ったままオーディオの音量を変えたり、エアコンの風向きを調整したり、さらには後ろの窓のカーテン(電動サンシェード)を開け閉めしたりすることが可能です。運転手さんに頼まなくても、自分の手元で全てが完結するこの感覚は、まさに高級車オーナーだけの特権です。
このアームレスト自体の作りも非常にしっかりしていて、腕を置いた時の高さやクッションの硬さも計算し尽くされています。実際のところ、これがあるおかげで左右の席の独立感が高まり、まるで左右に一脚ずつソファが並んでいるような贅沢な気分に浸れるのです。正直なところ、このスイッチ類をカチカチと操作している時こそが、「ああ、今自分はクラウンに乗っているんだ」と一番強く実感できる瞬間かもしれません。後ろの席を単なる「移動の場所」ではなく「コントロールルーム」に変えてくれる、クラウンならではの心憎い演出です。
運転中に迷いやすい装備や画面の仕組み
220系クラウンの内装で一番の特徴といえば、上下に並んだ2つの画面です。見た目はとても先進的で格好いいのですが、実際に動かしてみると、操作感に少し癖があることに気づきます。運転のしやすさに直結する、操作系の使い勝手について詳しく見ていきましょう。
上下に分かれた画面で操作
前期型の220系クラウンに乗り込むと、まず目に飛び込んでくるのが、大小2つの液晶画面です。上の画面は主にナビの地図を映し出し、下の画面はエアコンやオーディオの操作を担うという役割分担になっています。これ、一見すると「情報の整理ができていて便利そう」に見えるのですが、実際に走りながら操作しようとすると、どちらの画面を触ればいいのか一瞬迷ってしまうことがありました。視線の移動が上下に発生するため、慣れるまでは少し時間がかかるかもしれません。
また、下の画面はタッチパネル式になっているため、物理的なボタンのような「カチッ」とした手応えがありません。実際のところ、ブラインドタッチで温度を変えるといった操作がしにくく、どうしても画面を注視してしまう瞬間があります。正直なところ、この操作系は「慣れれば便利だが、直感的とは言い難い」というのが本音です。もしこれから手に入れようとしているなら、停車中にひと通りの操作を試して、自分との相性を確かめておくのが良いでしょう。見た目の格好良さと引き換えに、少しだけ独特の操作手順を覚える必要があります。
手元を見ずにエアコンを動かせるか
高級車にとって、運転中にストレスを感じさせない操作性はとても大切です。220系のエアコン操作は、基本的には下のタッチパネルで行いますが、よく使う温度調整のボタンなどは画面の横に物理的なスイッチとして残されています。これはトヨタの賢い判断で、全ての操作を画面の中に閉じ込めなかったおかげで、走りながらでも「とりあえず温度を1度上げる」といった動作が手探りでできるようになっています。この小さな配慮があるかないかで、運転の疲れやすさは大きく変わってきます。
ただし、風の向きを細かく変えたり、シートヒーターの強さを調整したりといった深い設定になると、やはり画面内のメニューを呼び出す必要が出てきます。実際のところ、こうした「2ステップ以上の操作」が必要な場面では、どうしても運転中の集中力が削がれがちです。後期型になって1画面に統合された理由も、おそらくこうした「操作の煩雑さ」を解消したかったからでしょう。ボタン一つで何でもできた昔の車から、デジタルへと移行する過渡期ならではの、少しもどかしい使い心地がここにあります。
スマホを繋いでできること
現代のドライブに欠かせないスマホ連携ですが、220系クラウンは年式によってその対応力が大きく異なります。後期型(2020年11月以降)であれば、標準でApple CarPlayやAndroid Autoに対応しているため、スマホの地図アプリや音楽アプリをそのまま大きな画面で操ることができます。これができるだけで、車内の利便性は一気に現代風にアップデートされます。いつも使い慣れたアプリが車の画面で動く安心感は、一度味わうと手放せないものです。
一方で、前期型の場合はこのスマホ連携が標準では備わっていないため、少し工夫が必要になります。実際のところ、純正ナビの地図データが古くなってくると、最新の道路状況を知るためにスマホのナビを使いたくなりますが、画面に映し出せないもどかしさを感じることもあるでしょう。正直なところ、今の時代に車を使い倒すなら、このスマホとの親和性の高さはナビの大きさ以上に重要なポイントになります。後期型を選べば、ナビが古くなる心配をせずに、スマホの最新機能をずっと使い続けられるという大きなメリットを享受できます。
飲み物や小物を置く場所は使いやすい?
毎日乗る車だからこそ、飲み物やスマホをどこに置くかは死活問題です。クラウンとしての気品を守りつつ、身の回りのものをどう片付けられるようになっているのか、収納の使い勝手を確認しました。
ドリンクホルダーの配置と腕への当たり方
220系クラウンのドリンクホルダーは、センターコンソールの真ん中に縦に2つ並ぶ形で配置されています。これ、実は少し変わった仕組みになっていて、使わない時は底がせり上がって平らな物置になり、飲み物を置く時だけ底が沈み込む「昇降式」になっています。この仕掛けのおかげで、使っていない時の見た目はとてもすっきりしていて、高級車らしい清潔感が保たれています。手を入れた瞬間にスッと底が下がる感触は、何度やっても飽きない面白さがありました。
ただ、実際にペットボトルを2本立ててみると、少し気になることが出てきます。ホルダーが縦に並んでいるため、手前のホルダーに高い飲み物を置くと、シフトレバーを操作する時やナビを触る時に、腕がボトルに当たってしまうことがあるのです。実際のところ、腕の位置とボトルの高さの相性が意外とシビアで、少し窮屈に感じる場面もありました。正直なところ、見た目の格好良さを優先した結果、実用性では少しだけ「お作法」を求められる作りになっています。ドリンクホルダーに何を置くか、自分なりの定位置を決めるまで少し試行錯誤が必要かもしれません。
大きなスマホが収まりきらない
現代人の必需品であるスマートフォンですが、220系の収納スペースはその進化の速さに追いつけていない部分がありました。ドリンクホルダーのすぐ前にある小物入れや、コンソールボックスの中のトレイは、少し前の標準的なサイズのスマホならぴったり収まりますが、最近の巨大化したスマホ(Pro Maxサイズなど)だと、ケースを付けた状態では収まりきらずに浮いてしまうことがあります。大切なスマホが安定しないのは、運転中には少し落ち着かないものです。
結局、スマホをドリンクホルダーの中に立てたり、助手席にポイと置いたりすることになりがちです。実際のところ、これだけの高級車であれば、もう少し大きなスマホをスッと置ける専用の場所があっても良かったのかな、と感じるのが正直なところ。コンソールボックスの中にUSBポートがあるため、充電しながらしまっておくことはできますが、画面をちらっと確認したい時には少し不便です。スマホがどんどん大きくなっている今の時代、220系の収納設計は「あと一歩の広さ」が欲しくなる、そんなもどかしさを抱えていました。
夜のドライブを彩る光の演出
収納ではありませんが、夜の車内を優雅に演出するイルミネーションについても触れておきましょう。220系クラウンの車内には、ドアの内側や足元、ドリンクホルダーの周辺などに、淡い光を放つLEDが配置されています。この光が、夜のドライブ中に程よい明るさを提供してくれるだけでなく、内装の造形を美しく浮かび上がらせてくれます。派手すぎず、かといって暗すぎない、絶妙な塩梅の光量はさすがクラウンといったところです。
この光の演出があるおかげで、夜間のドライブ中でもスイッチの場所が分かりやすく、また車内が高級ホテルのラウンジのような落ち着いた雰囲気になります。実際のところ、こうした「光の質感」にまでこだわっているからこそ、長時間乗っていても心が穏やかでいられるのでしょう。正直なところ、昼間の質感も大切ですが、セダンが一番美しく見えるのは夜の車内かもしれません。静かに光るラインを見つめていると、この車を選んで良かったと、ふとした瞬間に思わせてくれる。そんな情緒的な装備が、220系にはしっかりと息づいています。
トランクの広さを変えるバッテリースペース
セダンを買う時に気になるのが、荷物がどれくらい載るかという点です。特に220系はハイブリッド車が主流なので、大きなバッテリーが荷室をどれくらい圧迫しているのかを調べてみました。
ゴルフバッグは横に4つ載せられる?
「クラウンならゴルフバッグが4つ載る」というのは、歴代モデルが守り続けてきた伝統の一つです。220系でもその伝統は受け継がれていて、工夫次第で9.5インチのゴルフバッグを最大4つまで積み込むことが可能です。ただし、これには少し「積み方のコツ」が必要になります。1つ目と2つ目は奥に横向きに、3つ目と4つ目は手前に対角線上に置くなど、パズルのように組み合わせる必要があります。実際のところ、4人でのゴルフ旅行を一台でこなせる実力は、今のSUV全盛期にあってもセダンを選ぶ大きな理由になります。
もし、4つ載せる機会が多いなら、事前に自分のバッグのサイズを確認しておくのが無難です。最近の大きなプロタイプだと、4つ載せると隙間がほとんどなくなり、シューズケースや着替えのバッグを置く場所に困ることもあります。正直なところ、ゆとりを持って積むなら3つまでが理想的でしょう。それでも、この低い車体のどこにこれだけの空間が隠されているのかと驚くほど、トランクの左右のえぐり込みが計算されています。ゴルフ場での「クラウンの並び」を想像すると、この積載性の高さこそが、日本のエグゼクティブに愛され続ける理由なのだと再確認させられます。
ハイブリッド車だと少し狭くなる
2.5Lのハイブリッドモデルを選ぶと、トランクの床下に大きな駆動用のバッテリーが積まれています。そのため、ガソリン車と比べると床の高さが少しだけ上がっていて、荷室の深さがわずかに削られているのが現実です。普段の買い物袋やスーツケースを載せる分にはほとんど気になりませんが、背の高い荷物を載せようとした時に「あれ、あと少しが入らない」という場面があるかもしれません。これこそが、燃費の良さと引き換えに支払う、セダン特有の代償と言えるでしょう。
実際のところ、トランクを開けた時の見た目にはそれほど差はありませんが、床下の収納(サブトランク)の容量がハイブリッド車ではほとんどありません。パンク修理キットや工具を置くのが精一杯で、洗車道具や折り畳み傘などを隠しておく場所が限られてしまいます。正直なところ、トランクを「物置」のようにフル活用したい人にとっては、この底の浅さがじわじわと効いてくるポイントになります。ハイブリッドの恩恵は大きいですが、荷室の完璧な広さを求めるなら、ガソリン車という選択肢も無視できない存在です。
長い荷物を載せる時のシート
もう一つ、トランクの使い勝手で知っておきたいのが、後部座席とのつながりです。220系クラウンは車体の剛性を高めるために、トランクと車内の間にしっかりとした「壁」があります。そのため、一部のグレードを除いては、後ろの座席を倒して長い荷物を載せる「トランクスルー」が基本的には使えません。ホームセンターで長い木材を買ったり、スキー板を車内に載せたりといった使い方は、残念ながら苦手としています。
真ん中の肘掛け部分だけがパカッと開くタイプもありますが、それでも通せるのは細いものに限られます。実際のところ、セダンとしての静かさや頑丈さを優先した結果、こうしたシートアレンジの自由度は犠牲にされています。正直なところ、ミニバンやSUVのような万能さを求めてしまうと、このトランクの「壁」は大きな障害に感じるかもしれません。自分が必要とする荷物の形を思い浮かべて、この固定された空間で足りるかどうかを冷静に見極める。これが、後悔しないクラウン選びの第一歩になります。
内装選びで失敗しないための3つのポイント
220系クラウンを中古で探したり、これから手に入れようとしているなら、後から後悔しないために見ておくべき場所があります。満足度を左右する大切なポイントを共有します。
1. 前期の2画面か後期の1画面かの大きな差
220系クラウンを選ぶ上で、最も慎重に判断すべきなのが「ナビの画面構成」です。前期型の上下2画面は、見た目の先進性はあるものの、エアコン操作がタッチパネルに集約されているため、直感的な操作がしにくいという声が少なくありません。一方で、2020年11月以降の後期型は、巨大な1画面になり、エアコン操作も独立したボタンが使いやすくなるなど、実用性が劇的に向上しています。実際のところ、この違いは単なる「新しさ」だけでなく、毎日の運転のストレスに直結する部分です。
もし、予算が許すなら後期型を選ぶのが、内装の満足度としては間違いなく正解に近いでしょう。後期型であれば、スマホとの連携も標準でスムーズに行えます。正直なところ、外観はほとんど変わらない前期と後期ですが、運転席に座った時に見える景色は全くの別物。長く付き合う愛車だからこそ、自分がどちらの画面を眺め、どちらの操作方法に馴染めるかを、展示車などで徹底的に比較検討することをお勧めします。この決断一つで、その後のクラウンライフの快適さが決まってしまうと言っても過言ではありません。
2. 本革シートか布シートかの座り心地
次に迷うのが、シートの素材です。高級車なら本革、と考えがちですが、クラウンの布シート(特にRSなどに使われるブランノーブという素材)は、非常に質が高く、座り心地が良いことで定評があります。滑りにくく、夏は蒸れにくく、冬は冷たくない。この「日本の四季に寄り添う快適さ」は、実は布シートの方が優れている場面も多いのです。本革のような華やかさこそ控えめですが、実理を重んじるオーナーからは今でも根強い支持を受けています。
実際のところ、本革シートは高級感こそ抜群ですが、年数が経つとどうしてもシワやテカリが出てきてしまいます。また、220系の本革は少し硬めの仕立てなので、ふんわりとした柔らかさを求めるなら、布シートの方がしっくりくるかもしれません。正直なところ、ブランドイメージだけで本革を選ぶと、毎日の乗り降りの際に「冬の冷たさ」や「夏のアツさ」に悩まされるリスクもあります。自分の体がどちらを心地よいと感じるか、実際に腰を下ろして、その感触をじっくりと確かめてみてください。
3. 走行中に聞こえる内装のきしみ音
最後にチェックしておきたいのが、走行中の「音」の不具合です。220系クラウンは走りの質を高めるために足回りが少し硬めに設定されているせいか、路面の段差を越えた際などに、内装のパネル周辺から「ミシミシ」「コトコト」といったきしみ音が聞こえる個体が稀にあります。高級車として非常に静かな車内だからこそ、こうした小さな異音が一度気になりだすと、せっかくのドライブが台無しになってしまいます。
中古車を試乗する際は、音楽を消して、あえて少し荒れた路面を走ってみるのが良いでしょう。インパネの周りやドアの隙間、サンルーフ装着車ならその周辺から音がしていないか、耳を澄ませてみてください。実際のところ、きしみ音は原因の特定が難しく、一度出始めると完全に消すのが大変なこともあります。正直なところ、どんなに見た目が綺麗で装備が豪華でも、内装から安っぽい音が出ているようではクラウンの名が泣きます。最後に自分の耳で「静寂の質」を確かめること。これが、220系クラウン選びを成功させるための、最後の一手になります。
この記事のまとめ
220系クラウンの内装をじっくり見てみると、単なる移動の手段から「走って楽しい車」へと脱皮しようとしたトヨタの想いが伝わってきました。歴代のクラウンが築いてきた豪華絢爛な飾り付けをあえて抑え、手に触れる場所の感触や、運転席からの情報の見せ方に心を砕いたその中身は、今の時代の高級車としてとても潔い姿をしています。特に、前期と後期でナビの仕組みをガラリと変えてきた点には、使い手の声を真摯に受け止め、より良いものへ磨き上げようとした確かな跡が見て取れました。
後部座席に目を向ければ、クーペのような美しい屋根の形と引き換えに、頭の上のゆとりが少しだけ削られてはいますが、それを補って余りある足元の広さとおもてなしの装備が揃っています。トランクの電池による制約や、スマホ置き場のサイズといった、日々の中で感じる細かな癖さえも、この車が持つ「走り」への情熱や「伝統」とのせめぎ合いの結果だと思えば、なんだか愛着が湧いてくるから不思議です。もし、この新しい時代のクラウンを相棒にするなら、数字上の広さだけでなく、その空間が自分のライフスタイルにどう馴染むかを、ぜひ一度自分の五感で確かめてみてください。


