レクサスのラインナップの中でも、最もコンパクトで扱いやすいサイズなのがUXです。都会の細い道でもスイスイ走れるサイズ感は魅力ですが、それだけに「車内の広さや質感はどうなのか」という点は、選ぶ際に一番迷う部分でした。外から見るとスポーティで格好いいものの、いざ乗り込んでみると意外な発見がいくつもありました。
実際に運転席に座り、さらに後部座席にも自分の体を入れて過ごしてみることで、この車の得意な場面とはっきりした課題が見えてきました。豪華な装備が揃っている一方で、コンパクトSUVならではの割り切りが必要な場所も存在します。調べてわかった内装の細かな作り込みや、後席の過ごしやすさについて、感じたことをそのままお伝えします。
レクサスUXの内装の質感は?
ドアを開けた瞬間に広がる景色は、コンパクトなサイズ感からは想像できないほどの上質な空気に満ちていました。レクサスらしい丁寧な作り込みが、座席の隅々から伝わってきます。特にインパネの素材使いには、他のメーカーにはない独特のこだわりが詰まっていました。
和紙の質感を再現したインパネの手触り
一番目を引いたのは、インパネ部分にあしらわれた「和紙調シボ」の仕上げです。日本の伝統的な和紙の質感を再現したというこの素材は、表面がわずかにざらついていて、光の当たり方で白っぽく見えたり落ち着いたグレーに見えたりします。プラスチック特有のテカテカした安っぽさが一切なく、しっとりとした大人の雰囲気が漂っていました。これが標準的なグレードでも楽しめるのは嬉しいところです。つまり、視覚だけでなく触覚でも「和」を感じさせてくれる贅沢な仕掛け。最新の12.3インチ大型ディスプレイとも不思議と調和しており、ハイテクさと伝統が同居している不思議な感覚に包まれました。
バージョンLなら本革シートで手触りが滑らか
上位グレードの「バージョンL」に座ってみると、シートの質感に圧倒されます。使われている本革はとても柔らかく、体に吸い付くようなフィット感がありました。長時間座っていても疲れにくいのは、この素材の良さと絶妙なクッション性のおかげだと感じました。シートには細かな穴が開けられたパンチング加工が施されており、夏場でも蒸れにくい工夫がなされています。一方で、ベースグレードに使われている「L-tex(合成皮革)」も決して悪くありません。本革に近いしなやかさがあり、汚れに強いという実用面での強みを感じました。メンテナンスのしやすさを優先するなら、あえてこちらを選ぶのも一つの手です。
F SPORTは専用ペダルで足元が締まる
スポーティな「F SPORT」を選ぶと、車内の雰囲気は一気に走りのイメージへと変わります。特に足元に目を向けると、アルミ製のスポーツペダルがキラリと輝いていて、乗り込むたびに気分を高めてくれました。シートも専用のスポーツシートになり、腰回りのホールド性が格段に高まります。カーブを曲がる際もしっかり体が支えられるので、運転そのものが楽しくなる仕掛けです。ステアリングも専用のパンチングレザーが巻かれており、握った時の滑りにくさと適度な太さが手に馴染みました。走りに重きを置く人にとっては、この専用装備の数々が所有する満足度を大きく引き上げてくれるはずです。
ドア下の硬い樹脂部分は少し質感が落ちる
全体的に質感の高い内装ですが、視線を下に落とすと少し気になる部分もありました。ドアトリムの下部やセンターコンソールの脇などは、カチカチとした硬いプラスチック素材がそのまま使われています。レクサスの上位モデルを知っている人からすると、こうした細かい部分のコストカットは「おや?」と感じてしまうかもしれません。特に降車の際に靴が当たりやすい場所なので、傷がつきやすいのも心配な点です。もちろん、手が触れる場所はソフトパッドなどで丁寧に覆われていますが、車内全体の高級感を完璧に求めるなら、こうした素材の使い分けに妥協が必要でした。
後部座席に大人が座った時の足元の広さは?
UXの購入を考えている人が最も心配するのは、やはり後部座席の狭さでしょう。実際に大人が座ってみると、そこにはコンパクトSUVとしての限界と、工夫された居住性が共存していました。
175cmの人が座ると膝先は拳1つ分のゆとり
身長175cmの私が、運転席を自分に最適な位置に合わせた状態で後席に座ってみました。結果として、膝の前に残されたスペースは拳がちょうど1つ入るか入らないか、という広さでした。決して「広々としている」とは言えませんが、短距離の移動なら窮屈さを感じずに過ごせるレベルです。足元は前席の下に爪先を差し込めるようになっているため、数字上の狭さよりは圧迫感が抑えられています。ただ、これ以上の体格の人が前後に並んで座るとなると、かなりタイトな空間になるのは間違いありません。大人が4人でロングドライブを楽しむには、少し気合が必要な広さだと感じました。
前席を下げると足先を入れにくい
前席にゆったり座ろうとしてシートを一番後ろまで下げると、後席の足元事情は一変します。前席のシートレールが後方へ伸びてくるため、後ろに座っている人の足先を入れるスペースがほとんどなくなってしまうのです。足の置き場が固定されてしまうので、自由な姿勢が取れず、体感的な狭さはさらに増してしまいます。運転席や助手席の人がどれくらいシートを引くかによって、後部座席の快適性が劇的に左右されるのがこの車の特徴です。家族や友人を乗せる時は、前席の人に少しだけ前へ出てもらうといった、譲り合いの気持ちがこの車には欠かせませんでした。
180cm以上の人は天井に頭がつく高さ
頭上のゆとりについても、UXはかなり攻めた設計になっています。流麗なクーペのような外観を実現するために、屋根の後ろ半分が低く抑えられているからです。身長180cmを超える人が深く腰掛けると、髪の毛が天井に触れてしまうか、あるいは頭を少し傾ける必要が出てきます。また、サイドの窓も上に向かって絞り込まれているため、横方向の視界が狭く、人によっては閉塞感を覚えるかもしれません。SUVらしい開放感を期待して乗り込むと、少し肩透かしを食らう可能性があります。あくまでパーソナルな空間を重視した設計であることを、天井の低さが物語っていました。
コンソールの張り出しで足の置き場に迷う
後席の中央部分を見てみると、フロアの中央が大きく盛り上がっています。これは車の構造上避けられないものですが、UXの場合はその盛り上がりがかなり高く、左右の足元を分断するように存在しています。さらに、フロントシートから続くセンターコンソールが後席側にせり出しているため、足のやり場が制限されてしまいます。これにより、後席に3人で座るのは実質的にかなり厳しいと感じました。中央の席に座る人は、足を左右に大きく広げて跨ぐような姿勢を強いられます。実質的には「後席は2人乗り」と割り切って使うのが、この車の正しい付き合い方だと言えます。
家族で使う時の後部座席の使い勝手は?
1人や2人で乗る分には問題なくても、家族で使うとなると評価はまた変わってきます。チャイルドシートの設置や、同乗者のための装備について詳しく見ていきます。
チャイルドシートを載せると前席はかなり窮屈
小さな子供がいる家庭でUXを使う場合、チャイルドシートの設置が大きな課題となります。後向きに設置するタイプのシートを載せると、その背もたれが前席のシートを圧迫し、運転席や助手席をかなり前方にスライドさせなければなりません。その結果、今度は前席の人が膝をダッシュボードにぶつけそうなほど窮屈な思いをすることになります。つまり、子育て世代がメインカーとして使うには、かなりの工夫と妥協が求められるサイズ感なのです。ジュニアシートであればそれほど干渉しませんが、新生児から使うような大型のシートを検討しているなら、事前に設置テストをしておくことを強くおすすめします。
後席用USBポートはタイプCが2つで充電に困らない
家族での移動で欠かせないのが、スマートフォンの充電環境です。UXは最新のモデルらしく、センターコンソールの後方にUSB Type-Cのポートが2つしっかり備えられていました。これにより、後ろに座る子供や友人が、移動中にタブレットで動画を見たりゲームをしたりしても電池切れの心配がありません。ポートの位置も手が届きやすい場所にあり、暗い車内でも挿し込みやすいよう配慮されています。こうした現代の必需品に対する配慮は、さすがレクサスだと感じさせてくれます。電源の確保という点では、同クラスのSUVの中でもかなり優秀な部類に入ると言っていいでしょう。
ドアの開く角度が浅いため子供の乗降には注意
実際に後席を使ってみて意外と苦労したのが、ドアの開口部の狭さです。後輪のフェンダーが大きく張り出しているデザインの影響で、ドアが開く角度が一般的なSUVよりも少し浅く感じられました。そのため、子供を抱っこしたまま乗り込ませたり、チャイルドシートにベルトを締めたりする際に、腰を不自然に曲げなければなりません。また、足元の開口幅も狭いため、乗り降りの際に靴がドアの内張りやシートの端に当たりやすいのも気になりました。毎日何度も子供を乗せ降ろしするような場面では、このわずかな狭さが積もり積もってストレスに感じるかもしれません。
アームレストを出さないと横方向の余裕が足りない
後部座席に2人で座る時、中央にあるアームレストを出すのと出さないのでは、体感的な広さがまるで違いました。左右の席の距離が近いため、アームレストを収納したままだと隣の人と肩が触れ合いやすく、少し落ち着かない空間になってしまいます。幸い、アームレスト自体はしっかりとした太さがあり、ドリンクホルダーも備わっているので、これを出して使うことでプライベートな空間を確保できました。ただ、ドリンクを置くと肘を置くスペースが狭くなってしまうため、使い勝手には一工夫が必要です。このアームレストを「境界線」として使うことで、ようやく高級車らしいリラックスした時間が手に入りました。
運転席周りの操作性と最新機能の使い心地
運転席に座ると、そこは完全にドライバーが主役の空間になっていました。最新のデジタル装備が並びながらも、レクサスらしい扱いやすさが守られているのが印象的です。
12.3インチの大型画面は地図が広く見やすい
インパネの中央に鎮座する12.3インチのタッチディスプレイは、この車の内装における最大のハイライトです。以前のモデルよりも画面が手前に配置されたため、運転姿勢を崩さずに指が届くようになりました。解像度も非常に高く、ナビの地図が細部までくっきりと表示されるので、知らない土地を走る際も安心感がありました。画面を分割して音楽情報と地図を同時に表示しても、一つ一つの情報が大きいため見落とすことがありません。ただ、画面があまりに大きいため、夜間は少し眩しく感じることもありましたが、設定で細かく明るさを調整できるので大きな問題にはなりませんでした。
新型の電子シフトは軽い力でスムーズに動く
UX300hなどの最新モデルで採用された電子シフト(エレクトロシフトマチック)は、操作感が非常にスマートでした。手首の軽いスナップだけで「カチッ、カチッ」と小気味よく切り替わり、高級車に乗っていることを実感させてくれます。従来のレバー式に比べて場所を取らないため、センターコンソール周りがすっきりした印象になりました。シフトノブ自体のデザインも小ぶりで手に馴染みやすく、一度これに慣れてしまうと、昔ながらの重たいゲート式シフトには戻れないほどの快適さです。操作ミスを防ぐための配置もよく考えられており、ブラインド操作でも迷うことはありませんでした。
スマホ置き場は大型モデルだと収まらないケースも
便利な装備が増えた一方で、スマートフォンの置き場所には少し頭を悩ませました。シフトレバーの前方にワイヤレス充電に対応したトレイがありますが、最近の大型化したスマートフォンを置くと、端がはみ出したり、うまく充電が始まらなかったりすることがあります。ケースを付けているとさらに厚みが増すため、収まりの悪さが際立ってしまいました。また、充電トレイにスマホを置くと、その奥にあるスイッチ類が操作しにくくなるという難点もあります。結局、コンソールボックスの中に入れたり、ドリンクホルダーに立てかけたりすることになり、せっかくの専用スペースが十分に活かせないのは惜しいと感じました。
物理スイッチが減ったため画面操作の慣れが不可欠
最新のシステムになったことで、エアコンの温度調整などの一部を除き、多くの機能がタッチパネル内に統合されました。見た目は非常にスタイリッシュになりましたが、走行中に細かな設定を変えようとすると、画面を注視しなければならず少し緊張します。以前のモデルにあった手元の「リモートタッチ(トラックパッド)」が廃止されたため、すべて画面に直接触れる必要があります。ボリュームダイヤルなどの重要な機能は物理的に残されているものの、シートヒーターの強弱などを変える際に画面を数回タップしなければならないのは、少し手間に感じました。慣れればどうということはありませんが、アナログな操作を好む人には少し時間がかかる変化です。
荷室の容量と実際に積み込める荷物の目安
SUVである以上、荷物がどれくらい載るかは無視できないポイントです。UXの荷室は、決して広いとは言えませんが、日常使いには絶妙なサイズ感でまとめられていました。
機内持ち込みサイズのスーツケースなら2個並ぶ
UXの荷室容量は約228〜268リットル(モデルによる)と、このクラスのSUVとしては控えめな数字です。実際に荷物を載せてみると、機内持ち込みサイズの小さなスーツケースであれば、2個を横に並べて入れるのが精一杯という広さでした。その上に少し隙間ができるので、ボストンバッグや小物を詰め込むことは可能ですが、家族全員で数泊の旅行に行く荷物をすべて載せるのはかなり厳しいと言わざるを得ません。日常の買い物であれば十分すぎる広さですが、レジャー用途で使うなら、あらかじめ荷物を厳選する必要がありました。つまり、SUVというよりは「少し背の高いハッチバック」に近い感覚です。
デッキボード下の収納は小物を隠すのに便利
荷室の床(デッキボード)をめくると、そこには意外と深いアンダーボックスが隠されていました。洗車用具や予備の傘、普段は使わないブースターケーブルなどを整理して収納しておくのにぴったりなスペースです。表の荷室が狭い分、こうした「隠し収納」があるのは非常に助かりました。また、ハイブリッドモデルでもこのスペースがしっかり確保されている点は評価できます。デッキボード自体の作りも頑丈で、重い荷物を載せてもたわむ心配はありません。表に見せたくない生活感のある荷物をここに押し込んでおけるので、車内を常にすっきりと保ちたい人には嬉しい仕掛けです。
ゴルフバッグを載せるなら後席を倒すのが現実的
ゴルフに行く際にUXを使おうと考えているなら、少し工夫が必要です。荷室の横幅がそれほど広くないため、一般的なサイズのゴルフバッグを横向きにそのまま載せることはできません。斜めにしても入らないことが多く、基本的には後部座席の片側を倒して、縦方向に積み込むスタイルになります。これだと3人以上でゴルフに行くのは不可能で、最大でも2人での利用が限界でした。後席を倒せば奥行きはかなり広がるので、2人分のバッグとシューズをゆったり載せることができます。趣味の道具を載せる時は、乗車人数とのトレードオフになることを覚悟しておかなければなりません。
開口部の地上高が少し高めで重い荷物は持ち上げる
荷物を出し入れする際に気になったのは、地面から荷室の床までの高さです。UXはスタイリッシュな外観のためにリヤバンパーの位置が高めに設定されており、荷物を載せる時にいつもより高く持ち上げる必要があります。スーパーでの買い物袋なら気になりませんが、重い水入りの段ボールやキャリーケースを載せる時は、腰に少し負担を感じました。その代わり、荷室の床と開口部の段差がほとんどないため、一度載せてしまえば奥へ滑らせるように移動させるのは簡単です。スタイリングの良さと引き換えに、積み降ろしの際の「ひと踏ん張り」が必要な設計になっていました。
UXの内装で後悔しやすい3つのポイント
実際に長く時間を過ごしてみると、カタログスペックだけでは見えてこない、ちょっとした「使いにくさ」に気づくことがあります。納得して選ぶために知っておきたい、意外な落とし穴をまとめました。
1.カップホルダーに飲み物を置くと画面操作しにくい
センターコンソールにあるドリンクホルダーに、500mlのペットボトルやスターバックスの大きなカップを置くと、意外な不便さに直面します。ドリンクがちょうど12.3インチディスプレイの左下付近を遮る形になり、助手席側の画面操作や、シフトレバー周辺へのアクセスがしにくくなってしまうのです。また、腕を動かした時にペットボトルのキャップに肘が当たりそうになることもあり、置き場所の設計には少し疑問を感じました。特に背の高い飲み物を置く際は、画面の視認性も少し落ちてしまうため、ドライブ中の水分補給には意外と気を使わなければなりませんでした。
2.ピアノブラックのパネルは指紋と傷が目立ちやすい
シフト周りやスイッチパネルに使われている「ピアノブラック」の素材は、納車された瞬間は鏡のように美しく輝いています。しかし、実際に数日使っているだけで、指紋やホコリが驚くほど目立つようになります。太陽の光が差し込むと、拭き取った際についた細かな擦り傷まで浮き彫りになってしまい、少し切ない気持ちになりました。常に綺麗な状態を保つには、マイクロファイバークロスを車内に常備して、こまめに拭き掃除をする習慣が欠かせません。見た目の華やかさと引き換えに、美しさを維持するための手間がかかる素材であることは、覚悟しておいた方が良さそうです。
3.夜間の車内は照明が少なめで足元がかなり暗い
昼間の明るい時間帯は気になりませんが、夜間にUXを走らせていると、車内の暗さが少し気になりました。アンビエントライト(間接照明)は備わっていますが、レクサスの上位モデルに比べると光が控えめで、足元やドアポケットのあたりはほとんど真っ暗な状態です。夜間に足元に落としたものを探したり、ドアポケットのボトルを取ろうとしたりする際に、手探りになる場面が何度かありました。もちろん、運転に集中するための配慮という側面もありますが、高級車らしい華やかな夜間演出を期待していると、少し物足りなさを感じるかもしれません。必要に応じて、社外品のLEDライトなどで補いたくなる部分でした。
他のレクサス車と内装の広さを比較してみると?
UXを検討していると、同じレクサスのSUVである「LBX」や「NX」とどちらが良いか迷うこともあるはずです。それぞれの立ち位置による広さの違いを比較してみました。
LBXよりは横幅があるがNXよりは圧倒的に狭い
もっともコンパクトな「LBX」と比べると、UXは車幅がある分、運転席と助手席の距離が適切に保たれています。肩周りのゆとりはUXの方が勝っており、2人で乗っている時の密着感はそれほど強くありません。一方で、一回り大きな「NX」と比較してしまうと、その差は歴然です。NXは後部座席で足を組めるほどの広さがありますが、UXでそれを望むのは酷というもの。UXはあくまで「コンパクトであること」を優先した車であり、広い車内を求めるなら、背伸びをしてでもNXを選んだほうが幸せになれます。自分の用途が、1〜2人中心なのか、それとも人を乗せる機会が多いのかで、選ぶべきモデルがはっきり分かれました。
内装の豪華さは上位グレードならNXに引けを取らない
広さではNXに譲るUXですが、内装の質感そのものは決して負けていません。特に「バージョンL」を選べば、本革の質感やオーナメントパネルの仕上げは、上位モデルと比べても遜色ないレベルにあります。レクサスらしい「五感に訴える作り込み」は、小さなUXにもしっかりと凝縮されていました。つまり、大きな車は必要ないけれど、内装の質には一切妥協したくないという人にとって、UXは非常に満足度の高い選択肢になります。むしろ、この凝縮感こそがUXの持ち味であり、贅沢な素材をタイトな空間で楽しむという「小さな高級車」としての美学を感じさせてくれました。
後部座席の開放感は窓が大きなカローラクロスが勝る
もし、ブランドを問わずに「SUVとしての使い勝手」だけで比較するなら、トヨタのカローラクロスなどの方が後席の開放感は上です。UXはデザインを優先して窓を小さく、リヤの屋根を低くしているため、どうしても車内が暗く感じがちです。一方でカローラクロスなどの実用SUVは、四角いボディ形状を活かして窓も大きく、後ろに座っていても外の景色がよく見えます。UXの後席は、景色を楽しむための特等席というよりは、包み込まれるような安心感を味わうための「おこもり感」が強い空間です。この閉塞感を「落ち着く」と捉えるか、「狭苦しい」と感じるかは、乗る人の好みで大きく分かれるところでした。
レクサスUXの内装よくある質問
後部座席のリクライニング機能は付いている?
残念ながら、UXの後部座席にはリクライニング機能が備わっていません。背もたれの角度は固定されており、自分好みに倒してリラックスすることはできない設計です。ただ、最初から少し寝かせ気味の角度に設定されているため、自然な姿勢で座ることは可能です。長時間座り続ける場合は、休憩を挟みながら使うのが良さそうです。
シートベンチレーションはどのグレードから付く?
夏場に背中やお尻を冷やしてくれるシートベンチレーションは、基本的に「バージョンL」に標準装備されています。また、スポーティな「F SPORT」にも標準で付いているため、快適性を重視するならこのどちらかのグレードを選ぶことになります。ベースグレードや「バージョンC」では選べない、あるいはオプション設定がない場合が多いので、購入前にグレードごとの装備表を確認しておくのが大切です。
内装色は全部で何種類から選べる?
UXの内装色は、グレードによって選択肢が異なりますが、全部で5〜6種類ほど用意されています。定番のブラックはもちろん、明るい「ホワイト」や落ち着いた「ヘーゼル」、華やかな「フレアレッド(F SPORT専用)」など、自分の好みに合わせて選ぶ楽しみがあります。特に明るい色を選ぶと、コンパクトな車内がパッと明るく広く見えるので、狭さが気になる人には淡い系の内装色がおすすめです。
まとめ:自分の体格や用途に合うかどうかが鍵
レクサスUXの内装をじっくり見てきて一番に感じたのは、この車が「誰のために作られたか」が非常に明確だということです。前席の質感や運転しやすさは一級品で、まさにドライバーが主役の車でした。一方で、後部座席や荷室の広さは、割り切りが必要なサイズ感であることも事実です。1人や2人での移動がメインで、時々後ろに人を乗せる程度なら、これほど贅沢で扱いやすい車は他にありません。
もしこれからUXを検討するなら、自分の家族構成や、普段載せる荷物の量を思い浮かべてみてください。後席にチャイルドシートを載せる必要があるのか、あるいは大きなゴルフバッグを頻繁に運ぶのか。こうした具体的な場面を想像した上で、実際にディーラーで自分の体を後席に入れてみるのが一番の近道です。この凝縮された贅沢さが、自分の生活リズムにぴったりはまった時、UXは最高に頼もしい相棒になってくれるはずです。


