高速道路を走っていて、ふと横を通り過ぎた黒塗りのヴェルファイアにドキッとしたことはありませんか。あの独特の威圧感と、どこか不自然に整った佇まいは、慣れている人でも一瞬身構えてしまうものです。もともと高級ミニバンとして人気が高い車ですが、実は警察の現場でも「覆面パトカー」として選ばれることが増えており、その見分け方を知っているかどうかで、日々の運転での心のゆとりが大きく変わってきます。
ヴェルファイアの覆面パトカーを見分ける一番の近道は、グリルの奥に隠された赤いランプの有無や、不自然に多いアンテナ、そして車内にヘルメットを被った二人の隊員が乗っているかを確認することです。普通の高級車として走っているヴェルファイアと、お仕事中の車とでは、よく見ると外見にも動きにもはっきりとした違いが出ています。調べてわかったこうした細かなサインをあらかじめ知っておけば、追い越し車線で出会っても慌てずに対処できるようになります。
ヴェルファイアが覆面として選ばれる理由
高級ミニバンの代名詞ともいえるヴェルファイアが、なぜわざわざ取り締まりや警護の現場で使われるのか、不思議に思うかもしれません。普通のセダンタイプに比べて体が大きく目立ちやすいはずですが、警察側からすると、この大きな車体だからこそ助かる場面がたくさんあるようです。私たちが普段使いで感じる便利さが、そのままお仕事のしやすさに繋がっているというわけです。
隊員が大勢で移動するのに都合が良い
取り締まりの現場や、偉い人を守る警護の仕事では、一人の力ではなくチームで動くことがほとんどです。セダンタイプの車だと、運転手と隣に座る人の二人、後ろに座る人を合わせても、せいぜい三、四人が限界になってしまいます。ところが、ヴェルファイアのようなミニバンなら、一度にたくさんの隊員が乗り込んで移動できるため、現場での動きがとてもスムーズになるようです。つまり、一つの現場に何台も車を連ねる必要がなくなり、効率よくお仕事ができるという利点があります。
車内が広いということは、着替えや装備の準備も車の中で済ませられることを意味しています。長い時間、車の中で待機しなければならない取り締まりの現場では、足元を広々と使えるヴェルファイアの空間は、隊員の方々にとっても疲れにくい大切な場所になっています。実際のところ、長時間じっとしていなければならないお仕事ですから、少しでも体が楽な車が選ばれるのは、調べてみてなるほどと感じたポイントでした。移動そのものがお仕事の一部である彼らにとって、この広さは欠かせないものになっているのです。
これだけの人数が乗っていても、外から見ればただの大きなミニバンにしか見えないというのも、覆面として働く上では都合が良いのかもしれません。大勢の隊員が潜んでいることを悟らせずに、現場へサッと駆けつける。そんな使い方ができるヴェルファイアは、今の警察の現場ではとても重宝されている存在です。
警護車としての威圧感が周りを遠ざける
ヴェルファイアが覆面パトカーとして活躍するもう一つの大きな役割が、大切なお客さまを守る「警護車」としての仕事です。あの大きく分厚いフロントマスクと、どっしりとした車体は、後ろにつかれるだけでもかなりの威圧感があります。これが一般道や高速道路で並んで走っていると、周りの車が自然と距離を置くようになるため、守るべき車(本車)の周りに安全なスペースを作り出しやすくなるわけです。
普通の車が近づきにくい雰囲気を作るというのは、警護の現場ではとても大事な要素です。無理に幅寄せをしたり、割り込んだりしてくる車を、その姿だけで遠ざけることができるヴェルファイアは、まさに動く盾のような存在だといえます。実際に要人を乗せた車列を見ていると、黒塗りのヴェルファイアが前後を固めていることが多く、その佇まいからは「ここから先は通さない」という強い意志が伝わってくるようです。こうした威圧感は、小さなセダンではなかなか出しにくい、ヴェルファイアならではの持ち味だといえます。
見た目の怖さというか、凄みのようなものが、余計なトラブルを未然に防ぐ力になっているのは面白いところです。私たちが高速道路で出会ったときに感じる「近寄りがたい感じ」は、実は警察側が狙っている効果そのものなのかもしれません。
車内が広いと取り締まりの道具も積める
警察のお仕事には、驚くほどたくさんの道具が必要です。スピードを測る機械や、違反した人を車に招き入れるための書類、さらには事故のときに使うカラーコーンや誘導灯など、普通の車ならトランクがいっぱいになってしまう量があります。ヴェルファイアなら、これらを積んでもまだ余裕があり、さらに違反した人と隊員が車内で落ち着いてお話をするスペースまで確保できてしまいます。
実際に捕まってしまった人が車内に案内されるとき、セダンの後ろの席だと窮屈で話がしにくいものですが、ヴェルファイアの広い後部座席なら、隊員の方も落ち着いて手続きを進められます。車内が広ければ、重たい機材を出し入れする際も腰を痛める心配が少なくなり、テキパキとお仕事ができるようになります。こうした道具の多さを考えると、ミニバンという形は警察にとってまさに理想的な作業場になっているといえます。
さらに、最近では煽り運転の対策などで、より高機能なカメラや録画装置を積んでいることも増えています。こうした新しい機材を後から載せる際も、ヴェルファイアの広い空間があれば置き場所に困ることはありません。お仕事の幅が広がれば広がるほど、荷物がたくさん積めるこの車の価値は上がっていくようです。
外装から判断できるヴェルファイア覆面の特徴
ヴェルファイアの覆面を見分けるには、まずその「外見」に隠されたサインを読み取ることが大切です。一見すると普通の高級車に見えるように工夫されていますが、お仕事のためにどうしても隠しきれない部品や、独特の不自然さがどこかに現れています。そこをじっくり観察することで、怪しい車かどうかを見抜くことができます。
30系の前期か後期のモデルがほとんど
今、道路を走っているヴェルファイアの覆面パトカーの多くは、30系と呼ばれるモデルが主流です。特に少し前までは前期モデルが多かったのですが、最近では顔つきがより鋭くなった後期モデルの覆面もよく見かけるようになりました。警察の車は、一度導入されるとそれなりの長い期間使われるため、最新の40系よりも、この30系が現場で一番脂が乗っている時期だといえます。
| モデルの世代 | 主な特徴 | 覆面としての採用状況 |
| 20系以前 | 丸みを帯びたデザイン | 最近は引退が進んでいる |
| 30系(前期) | 落ち着いた高級感 | 全国的に数多く走っている |
| 30系(後期) | 派手なメッキグリル | 最新の取り締まり機材を搭載 |
調べてみたところ、この30系は中身がとても丈夫で、長い時間走り続けても壊れにくいことが警察に選ばれる理由の一つになっているようです。私たちが中古車でヴェルファイアを探すときもこの30系は人気ですが、警察側にとっても信頼できる「相棒」として大切に使われています。もし追い越し車線を走っていて、ピカピカに磨かれた30系のヴェルファイアが迫ってきたら、まずはその細部をチェックしてみるのが賢い方法です。
屋根のアンテナが不自然に長く数も多い
覆面パトカーを見分ける上で、昔からの定番であり、今でも有効なサインが「アンテナ」です。普通のヴェルファイアなら、屋根の後ろの方に小さな「シャークフィン」と呼ばれるフカヒレのような形のアンテナがついているだけですが、覆面の場合はそれとは別に、細長いアンテナが立っていることがあります。これは警察の無線を使うための特別なもので、市販の車には絶対についていない部品です。
最近では、このアンテナを「ユーロアンテナ」と呼ばれる、少し短くて太いタイプにして、パッと見では警察の無線用だと分からないように隠している車も増えています。ですが、よく見るとそのアンテナから伸びるコードが窓の隙間に不自然に吸い込まれていたり、屋根に複数のアンテナが並んでいたりすることがあります。普通の人が車にアンテナを何本も立てることはまずありませんから、屋根の上が少し「騒がしい」と感じたら、それはお仕事中の車の可能性が高いといえます。
さらに、アンテナの付け根の塗装が少しだけ浮いていたり、強力なマグネットで固定した跡が残っていたりすることもあります。警察の車は毎日過酷な環境で使われるため、こうした細かい部分に「使い込まれた道具」としての跡が出てしまうものです。アンテナ一つとっても、よく観察すればお仕事の匂いを感じ取ることができます。
グリルの隙間に赤いランプが隠れている
これが一番確実なサインですが、同時に一番見つけにくいのが、フロントグリルの中に隠された「前面警光灯」です。警察の車ですから、緊急時には赤く光るランプを出さなければなりませんが、覆面のときはこれをグリルの奥に隠して目立たないようにしています。最近のヴェルファイアはグリルがとても大きく、メッキの飾りが複雑に入っているため、光っていない状態ではその存在を知っていないとまず気づけません。
ですが、明るい昼間に真正面からグリルの奥を覗き込むと、左右に一つずつ、小さな四角いライトが設置されているのが見えることがあります。これが「前面警光灯」で、速度違反などを見つけた瞬間に赤く点滅して、私たちがよく知るパトカーの姿に変わるわけです。取り締まりを専門にする交通機動隊のヴェルファイアには必ず付いている装備ですので、これを見つけられたら「100パーセント覆面だ」と断定して間違いありません。
意外なのは、最近のこのランプはLED化されていて、昔よりもさらに小さく、薄くなっていることです。メッキの反射に紛れて見えにくくなっていますが、不自然に左右対称な四角い物体がグリルの奥にあれば、それは光る準備を整えた警察の目だと思って警戒しましょう。
窓のフィルムが濃くて中の様子が隠れる
覆面パトカーは、中に乗っている隊員の顔や装備が外から見えないように、後ろの窓や横の窓にかなり濃いスモークフィルムを貼っていることがほとんどです。普通の車でもフィルムを貼る人は多いですが、覆面の場合は「中が全く見えない」というレベルまで真っ黒にしていることが多いのが特徴です。これは、中で隊員がヘルメットを被っていたり、無線のマイクを握っていたりする様子を悟られないための工夫です。
高速道路で横に並んだとき、Bピラー(前席と後席の間)から後ろが完全に闇のように暗いヴェルファイアがいたら、それは中を隠さなければならない理由がある車かもしれません。特に、警護車として使われているヴェルファイアは、守るべき情報の塊ですから、その隠し方はより徹底しています。実際のところ、後ろの窓から中を覗き込もうとしても、自分の顔が鏡のように反射して見えるだけで、中の隊員の影すら見えないことも珍しくありません。
この「中の見えなさ」は、単なるオシャレというよりは、お仕事としてのプライバシーを守るためのものです。不自然に真っ黒な窓を持つヴェルファイアは、中にどんなお仕事のプロが潜んでいるか分からない、という緊張感を持って接するのが正解です。
ヴェルファイア覆面のナンバーと色の共通点
車の「ナンバープレート」と「ボディの色」にも、警察車両ならではの決まりごとがあります。何万台と走っているヴェルファイアの中から、お仕事中の個体を見つけ出すには、こうした数字や色の法則を知っておくのがとても役に立ちます。派手な色の覆面がいないのには、ちゃんとしたわけがあるのです。
黒か白か紺色の3パターンが基本の色
覆面パトカーとして使われるヴェルファイアの色は、ほぼ「黒(ブラック)」「白(ホワイトパール)」「紺(ダークブルー)」の3色に絞られています。これは、街中の風景に自然に溶け込み、相手に警戒心を与えないために、一番ありふれた色が選ばれているからです。真っ赤なヴェルファイアや、派手なゴールドの覆面というのは、調べてみても一台も存在しません。警察の仕事は、まず目立たないことから始まるため、こうした無難な色が好まれるわけです。
| ボディカラー | 与える印象 | 主な使われ方 |
| ブラック | 威圧感と高級感 | SPの警護車に多い |
| ホワイトパール | 清潔感があり一般的 | 交通取り締まりに多い |
| ダークブルー | 夜間に溶け込みやすい | 捜査や取り締まりに活用 |
特に黒塗りのヴェルファイアは、警護の現場では定番中の定番です。一方で、交通取り締まりに現れる覆面は、一番台数が多い白や、夜の高速道路で姿を隠しやすい紺色が選ばれることが多いようです。実際のところ、ピカピカに磨き上げられたこれらの色のヴェルファイアが、不自然に車間距離を空けて走っていたら、それは「獲物」を探している最中の警察車両かもしれません。
同じ白や黒でも、社外の派手なエアロパーツが付いていたり、大きな羽のようなスポイラーが付いていたりする車は、覆面である可能性はぐっと低くなります。警察の車はあくまで「純正の状態」が基本ですので、飾りのない、清潔で整った姿をしているのが、お仕事中の車の最大の特徴です。
ナンバーの地名は管轄する場所のもの
当たり前のことかもしれませんが、覆面パトカーのナンバーに書かれている地名は、その車が所属している警察署や機動隊がある場所のものです。例えば、東京都内を走る覆面なら「品川」や「足立」、大阪なら「なにわ」や「和泉」といったナンバーになります。高速道路を走っているときに、自分の周りの地名とは全く違う、遠くの街のナンバーをつけたヴェルファイアが不自然に制限速度を守っていたら、それは移動中の警察車両かもしれません。
特に、県境をまたいで取り締まりを行うことは少ないため、自分が今走っている県のナンバーをつけた車には注意が必要です。また、ナンバーの数字が「・・ ・1」のように目立つものや、自分の誕生日を選んだような「希望ナンバー」をつけている覆面は、基本的には存在しません。警察の車はランダムな数字の組み合わせであることが多く、これといった特徴のない「普通の4桁の数字」がついているのが一般的です。
不自然に綺麗なナンバープレートも、見分けるサインになります。警察の車は毎日手入れをされているため、ナンバープレートに虫の死骸がついたままだったり、泥で汚れていたりすることはまずありません。遠くからでもはっきりと数字が読み取れるほど、いつも清潔に保たれているのは、お仕事を真面目に行っている証拠だといえます。
分類番号は8より3ナンバーが多くなった
一昔前のパトカーといえば、「88」や「800」から始まる「8ナンバー(特殊車両)」というイメージが強かったのですが、最近のヴェルファイアの覆面パトカーは、普通の乗用車と同じ「33」や「300」から始まる「3ナンバー」が主流になっています。これは、8ナンバーにしてしまうと一目で警察の車だとバレてしまうため、あえて一般車と同じ3ナンバーで登録して、正体を隠しているためです。
つまり、ナンバーを見ただけでは「特殊な車だ」と判断できなくなっているのが今の現状です。以前は「8ナンバーを避ければ大丈夫」なんていう教えもありましたが、今はその知識は通用しません。むしろ、普通の3ナンバーがついているからこそ、より慎重に車の様子を観察する必要があります。警察側も、私たちがどうやって見分けているかをよく知っていて、それを逆手に取った対策をしてきているわけです。
分類番号が3ナンバーであるということは、税金や保険の仕組みも一般の車と同じように扱われていることを意味しています。警察という大きなお役所が、わざわざ手間をかけて一般車と同じ登録をしていることからも、正体を隠して取り締まりを行うことへの「本気度」が伝わってくるようです。
走っているヴェルファイアを見分ける3つのコツ
車が止まっているときよりも、走っているときの方が、覆面パトカーはその正体を表しやすいものです。警察のお仕事には独特の「作法」があり、それが運転の仕方や車内の様子にどうしても現れてしまいます。走行中のヴェルファイアから放たれる3つのサインを見逃さないようにしましょう。
1. 青い服の人が2人前後に並んで座る
覆面パトカーの中を覗き込めるチャンスがあったら、まず乗っている人の「服装」と「座り方」をチェックしてください。交通取り締まりをしている覆面の場合、中には必ず2人の隊員が乗っています。そして、彼らは例外なく「青い制服」や「作業服のような活動服」を着ています。普通の人がヴェルファイアを運転するのに、そんなカッチリした服を着ることはまずありませんから、これだけで正体は丸分かりです。
さらに、高速道路での取り締まりの際は、車内で「ヘルメット」を被っていることもあります。ルームミラー越しに、運転席と助手席に丸い頭の影が二つ並んで見えたら、それはもう100パーセントお仕事中の車です。彼らは雑談をすることもなく、前をじっと見据えて、機械のように正確な姿勢で座っています。楽しそうに家族と喋っていたり、音楽に合わせて頭を振っていたりするような気配は微塵もありません。
こうした「人の雰囲気」の違いは、意外と遠くからでも伝わってくるものです。不自然に姿勢が良く、制服のようなものを着た大人が二人並んで乗っているヴェルファイアは、近づいてはいけない特別な車だと思って間違いありません。
2. 制限速度をきっちり守って走り続ける
取り締まり中の覆面パトカーは、当然ながら自らが交通ルールを完璧に守らなければなりません。そのため、高速道路でも制限速度(時速100キロや120キロ)を、1キロの狂いもなくきっちりと守って走り続けます。周りの車が少し急いで追い越していくなかで、頑なに法定速度をキープして、一番左の走行車線や真ん中の車線を淡々と走っているヴェルファイアがいたら、それは「獲物」を待っている状態の可能性が高いです。
彼らの運転は、まさにプロの仕事です。車線変更をするときは、必ず3秒前にウィンカーを出し、滑らかに移動します。急ブレーキを踏むことも、無理な割り込みをすることもありません。こうした「美しすぎるほど丁寧な運転」は、一般のドライバーにはなかなかできないものであり、それが逆に覆面としての正体を露呈させてしまう結果になっています。周りの車の流れから一歩引いて、冷徹にルールを守り続ける姿は、どこか不自然な冷たさを感じさせるものです。
速度違反の取り締まりをするときは、獲物を見つけた瞬間にサッと加速して後ろにぴたりと張り付きますが、それ以外のときは驚くほど大人しく、従順な運転をしています。この「静」と「動」のギャップも、見分けるための大きなヒントになります。
3. ルームミラーが上下に2つついている
これは少し高度な見分け方ですが、後ろから覆面の室内を観察できるときに、フロントウィンドウのあたりに注目してみてください。警察の車には、運転手だけでなく助手席の人も後ろの様子を確認できるように、ルームミラーが上下に二つ並んで設置されている「ダブルミラー」という装備がついていることがあります。一つは運転手用、もう一つは隣に座る隊員が、後ろから来る違反車を確認するためのものです。
普通のヴェルファイアにルームミラーを二つ付ける人はいませんから、これが見えたら決定的です。最近では、後付け感をなくすためにスマートな形状にしている車もありますが、それでもよく見るとガラスの上部に不自然なでっぱりが二つ見えることがあります。隊員の方々は、この二つの鏡を駆使して、私たちが後ろから近づいてくるのを手ぐすね引いて待っているわけです。
また、後部座席に人が乗っていないのに、不自然にリアワイパーが動いていたり、後ろの窓を綺麗に保とうとしていたりすることもあります。すべては「後ろをよく見るため」の工夫です。鏡の数や、後ろの視界へのこだわりを感じるヴェルファイアは、間違いなく背後を常に警戒しているお仕事の車だといえます。
ヴェルファイアの覆面を見分ける時の落とし穴
「あ、あれは覆面だ!」と自信満々に判断しても、実はただの一般車だった、ということがよくあります。最近では、警察の車に憧れてわざと似たような見た目にしている車や、煽り運転対策で同じような部品をつけている車も増えているため、注意が必要です。
似たようなアンテナを後付けする一般車
最近の車好きの間では、覆面パトカーのスタイルを真似る「警察仕様(劇用車仕様)」というカスタムが密かに流行っています。彼らは、警察が使っているものと同じ「ユーロアンテナ」をわざわざ買ってきて、同じ位置に、同じ角度で取り付けています。さらに、アンテナから伸びるコードまで本物そっくりに窓に這わせていることもあるため、アンテナがついているからといって、すぐに本物の覆面だと決めつけるのは危険です。
こうした「もどき」の車を見分けるには、車内の様子をより詳しく見るしかありません。本物の隊員は青い服を着ていますが、偽物の場合は普通のTシャツを着ていたり、楽しそうに笑っていたりします。また、もどきの車はホイールを派手なものに変えていたり、ナンバープレートに派手な枠をつけていたりすることが多いため、全体の「清潔感」や「地味さ」で見極めるのが正解です。警察の車は、わざわざ自分をパトカーに見せようとはしません。むしろ、必死に隠そうとしているということを忘れないでください。
アンテナがついているヴェルファイアを見つけたら、まずは「これはオシャレでつけているのか、それともお仕事なのか」と一呼吸置いて考えてみる心の余裕が大切です。
夜間はライトが眩しくて細部が見えない
夜の高速道路は、覆面パトカーにとって最大の活躍の場であり、私たちにとっては一番見分けにくい時間帯です。ヴェルファイアの最近のモデルはLEDライトがとても明るく、後ろから近づいてくる車のヘッドライトが眩しくて、ミラー越しには車種さえもはっきり分からないことがあります。さらに、最近では暗闇に溶け込みやすい「ダークブルー」や「ガンメタリック」の覆面も増えているため、形を判別するのは至難の業です。
夜に見分けるコツは、ライトの「形」と「間隔」を覚えることです。ヴェルファイア特有の上下二段に分かれたようなライトの光り方を覚えておけば、暗闇でも「あ、あれはヴェルファイアだ」と分かります。そして、その光が不自然に車間距離を空けて、一定の速度でついてくるようであれば、それは正体を隠して様子を伺っている覆面かもしれません。
暗いと前面警光灯も見えませんし、アンテナの数も分かりません。夜間は「外見」よりも、その車の「挙動」を信じるのが一番です。不気味なほどスムーズに、そして冷徹にルールを守って走る光の影があれば、それはお仕事中のプロの姿だと思って間違いありません。
煽り運転対策で私物を使っている車もある
最近では、普通のドライバーが「煽り運転」をされないための防衛策として、あえて覆面パトカーに見えるような工夫をしていることがあります。例えば、ルームミラーを二つ付けてみたり、ダッシュボードの上に青い制服のような上着を置いてみたり、リアウィンドウの目立つところに「ドライブレコーダー録画中」という大きなステッカーを貼ってみたり。これらはすべて、周りの車に「もしかして警察かな?」と思わせて、変なトラブルに巻き込まれないようにするための生活の知恵です。
こうした車は、中身は完全な一般車ですから、速度違反の取り締まりをすることはありません。ですが、遠くから見ると本物の覆面そっくりに見えるため、ついつい急ブレーキを踏んでしまう人も多いようです。これを防ぐには、やはり車全体の「オーラ」を感じ取ることが大切です。本物の警察車両には、私物としての生活感(ぬいぐるみ、芳香剤、ゴミ袋など)が一切ありません。車内が「空っぽで、整いすぎている」のが本物の覆面です。
不自然に警察っぽさをアピールしている車は、逆に言えば「警察ではない」という証拠でもあります。本物は、気づかれないように息を潜めているものです。その違いを、友人に話すような軽い気持ちで観察できるようになれば、運転のストレスも少しは減るはずです。
覆面に遭遇しても焦らずに済む運転アクション
もし、走っているヴェルファイアが本物の覆面だと気づいたら、どう振る舞うのが一番良いのでしょうか。焦って急ブレーキを踏んだり、慌てて車線変更をしたりするのは、逆に不自然な挙動として隊員の目に留まってしまうことがあります。プロの前で恥をかかないための、スマートな立ち回り方を知っておきましょう。
左側の車線をゆとりを持って走り続ける
覆面パトカーに気づいたとき、一番安全で、かつ隊員に「この人はルールを分かっているな」と思わせる方法は、素直に一番左側の「走行車線」に戻り、法定速度で走り続けることです。追い越し車線を走り続けるのは、たとえ速度を守っていても「通行帯違反」になる可能性があるため、覆面の前でやり続けるのは一番のリスクです。サッと左に戻り、車間距離をしっかりと空けて、ゆったりと流す。これが、お仕事中の警察車両に対する最高の敬意であり、自分の身を守る方法です。
隊員の方々も、ルールを守っている善良なドライバーを無理に取り締まることはありません。彼らが探しているのは、周りの流れを乱し、危険な運転をしている車です。「私は安全運転をしていますよ」というメッセージを、その安定した走りで見せることができれば、覆面のヴェルファイアもあなたの横を静かに通り過ぎていくはずです。実際のところ、落ち着いて左車線を走っている車は、彼らの取り締まりリストからは真っ先に外されます。
焦って右往左往するのが一番良くありません。どっしりと構えて、制限速度の範囲内でクルーズコントロールをセットするくらいの余裕を見せましょう。
ブレーキを踏まずにアクセルで速度を落とす
スピードを出しすぎていたときに覆面を見つけてしまうと、条件反射でブレーキを踏んでしまいがちです。ですが、高速道路で急にブレーキランプが赤々と光るのは、「私は速度違反をしていました」と自白しているようなものです。さらに、後ろを走る車を驚かせ、事故を招く原因にもなります。プロの隊員は、ブレーキランプの光り方一つで、ドライバーの動揺を見抜いています。
もし速度を落としたいのであれば、ブレーキを踏むのではなく、アクセルをそっと離して「エンジンブレーキ」で自然に減速しましょう。これなら、後ろにいる覆面にも悟られにくく、スマートに速度を調整できます。速度が十分に落ちてから、ウィンカーを出してゆっくりと左車線に移る。この一連の動作を落ち着いて行えるかどうかが、運命の分かれ目になります。
焦っているときは、足元がバタバタしてしまいがちですが、そこをぐっと堪えて優しく操作する。これが、お仕事中のプロと同じレベルで道路を共有するための作法です。実際のところ、冷静に減速して左に戻る車に対しては、隊員も「お、気づいたな」とニヤリと笑って見逃してくれることも多いと言われています。
周りの車の流れをよく見てから判断する
覆面パトカーの見分けに夢中になりすぎて、自分の周りの状況がおろそかになっては本末転倒です。急に速度を落としたせいで後ろのトラックに煽られたり、覆面ばかり見ていて前の車のブレーキに気づかなかったりしては、それこそ大事故に繋がります。大切なのは、特定の車が覆面かどうかを疑うことよりも、道路全体の「空気感」を読むことです。
高速道路を走っていると、ときどき周りのすべての車が一定の速度で綺麗に並んで走る「不思議な平穏」が訪れることがあります。そういうときは、十中八九、その車列のどこかに覆面やパトカーが潜んでいます。こうした周りの車の動きの変化に敏感になれば、一台一台の細部を確認しなくても、「あ、今は飛ばしてはいけない時間だな」と直感で分かるようになります。
周りの車が急に左車線に戻り始めたら、自分もそれに従う。不自然に空いているスペースがあったら、そこには入らない。こうした「道路の空気を読む力」こそが、覆面パトカーとの鬼ごっこを卒業し、真のベテランドライバーになるための唯一の道だといえます。
よくある質問
ヴェルファイアの40系も覆面で走ってる?
最新の「40系」ヴェルファイアについては、調べてみたところ、まだ交通取り締まり用の覆面としての本格的な導入は確認されていません。警察の車両は、予算を組んで一括で購入し、そこから特殊な装備を載せるため、発売されてすぐの最新型が覆面になるには少し時間がかかります。ですが、要人警護(SP)用の車としては、すでにごく少数が導入され始めているという噂もあります。最新型だからといって油断せず、「高級で、ピカピカで、アンテナが多いヴェルファイア」は、どの世代であっても警戒しておくのが一番の正解です。
覆面はどんな場所で出番を待っている?
ヴェルファイアの覆面が獲物を探すために待機している場所には、いくつかの定番があります。一番多いのは、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアの出口付近にある「加速車線」の合流地点です。ここで本線を走る車の速度をじっと観察し、飛ばしている車を見つけるとサッと合流して後ろに張り付きます。また、料金所を過ぎた後の広いスペースや、非常駐車帯に鼻先を隠して潜んでいることもあります。彼らは、自分が有利に加速でき、かつ相手に気づかれにくい場所を熟知していますから、こうした「死角」がある場所では特に注意が必要です。
まとめ:ヴェルファイア覆面との賢い付き合い方
ヴェルファイアの覆面パトカーを見分けるためのいくつかのサインをお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。不自然に多いアンテナ、グリルの奥の赤いライト、そして何より車内に漂う「お仕事中」の独特の緊張感。これらを日頃から少しだけ意識して眺めるようになると、高速道路でのドライブがまるで間違い探しのような、少しだけ刺激的な時間に変わるかもしれません。
ですが、一番大事なのは「見分けること」そのものではなく、どんな車が隣を走っていても焦らずに済むような、ゆとりある運転を心がけることです。ヴェルファイアの覆面パトカーは、交通の安全を守るために日々過酷な現場で働いている、いわば道路の守り神のような存在でもあります。彼らの特徴を知ることで、自分自身の安全運転への意識が高まり、結果として事故や違反から自分を遠ざけることができれば、それが何よりの正解です。次にピカピカのヴェルファイアに出会ったときは、ぜひこの記事で気づいたサインを思い出しながら、優しく左車線を走り続けてみてください。


