レクサスISの生産終了モデルはどれ?2026年の現状と次期EVの噂を解説

LEXUS

レクサスを象徴するスポーツセダンとして、長年ファンを魅了してきた「IS」がいま大きな転換期を迎えています。ネット上では「生産終了」という言葉が飛び交い、特にV8エンジンを積んだ特別なモデルの受注が止まったことで、もう手に入れられないのではないかと不安を感じている方も多いはずです。

2026年現在、ISのラインナップはかつてないほど複雑な状況にあります。一部のモデルが役目を終える一方で、最新技術を詰め込んだ改良モデルが静かに登場しました。この記事では、いまISに何が起きているのか、そして2027年以降に噂される次期型への流れを、車選びのヒントとともに詳しく解き明かします。

レクサスISの生産終了はいつ?2026年3月の最新状況

レクサスISのラインナップ整理は、2025年末から段階的に進められてきました。長らくISを支えてきた純ガソリンモデルの多くが、すでにその長い歴史に幕を下ろしています。現在は、ブランドの電動化戦略を見据えた「絞り込み」の時期にあり、新車で買える選択肢は以前よりも限定的なものとなりました。

このセクションでは、現在どのモデルがカタログから消え、逆にどのモデルがショールームに残っているのかを整理します。販売店でのリアルな在庫状況や、注文を受け付けている最新のグレードについても触れていきますので、購入を検討中の方はまずここから正確な状況を把握してください。

多くのガソリンモデルは2025年11月に生産を終えた

2025年11月、レクサスISの歴史の中で一つの大きな区切りが打たれました。具体的には、3.5L V6エンジンを搭載した「IS350」と、2.0L ターボエンジンの「IS300」の生産が終了しています。これにより、純粋なガソリンエンジンだけで走るISは、事実上のオーダーストップとなりました。

例えば、かつて「IS300」は軽快なハンドリングとパワーのバランスで人気でしたが、現在はメーカーからの新規発注ができません。これらのモデルを希望する場合、現在はディーラーが抱える見込み発注分の在庫や、新車に近い中古車を根気強く探すしか方法がないのが実情です。

注意点として、一部の販売店ではまだ数台の在庫を抱えているケースもあります。しかし、色やオプションを選べる段階は完全に過ぎ去ってしまいました。ガソリン車特有のエンジン音や加速感を重視していた方にとっては、非常に寂しい状況が訪れたと言えます。

日本で今も新車注文できるグレードはある?

すべてのISが消えたわけではありません。2026年3月現在、日本国内で唯一継続して生産・受注が行われているのは、ハイブリッドモデルの「IS300h(後輪駆動モデル)」です。レクサスは、主力であるハイブリッド車に力を集中させることで、ISというモデルの灯を絶やさない選択をしました。

ただし、注意が必要なのは「AWD(四輪駆動)」モデルの扱いです。以前はIS300hにもAWDが設定されていましたが、こちらもガソリン車と時を同じくして生産終了の流れにあります。

現在は「FR(後輪駆動)のハイブリッド車」だけが、唯一自由にオーダーできるISとなりました。

もし、四輪駆動の安定感を求めているのであれば、ISのラインナップから探すのは難しくなりつつあります。今新車で注文できるIS300hは、このあと説明する「2026年の改良」を受けた最新仕様であり、デジタル面での魅力が大幅に高まっています。

販売店でのオーダーストップと在庫車の現状

現在、全国のレクサス販売店では、生産終了モデルについては「在庫販売のみ」という案内が徹底されています。受注停止になったモデルについては、たとえどれほど熱望しても新規に工場へ発注をかけることは不可能です。

例えば、希望するグレードが近くの店舗になくても、系列店から在庫を取り寄せられる可能性はゼロではありません。しかし、それも時間との戦いです。日々、全国の在庫リストから「成約済み」の文字が増えていく状況にあります。

もし「どうしても新車のガソリン車がいい」とこだわるのであれば、今すぐ複数のディーラーへ連絡し、キャンセル待ちや隠れた在庫がないかを確認すべきです。迷っている間に、最後の一台が誰かの手に渡ってしまう。そんな緊迫したフェーズにISはあります。

なぜ主要モデルは2025年に生産を終了したのか

レクサスISがこれほどまでに大胆なラインナップの整理を断行したのには、単なる「古さ」だけではない切実な理由があります。ISはレクサスの屋台骨を支えてきたモデルだからこそ、その幕引きにはブランド全体の将来を左右する大きな動きが絡み合っているのです。

ここでは、なぜIS350やIS300といった人気モデルが姿を消さなければならなかったのか、その裏側にある技術的、社会的なハードルを詳しく紐解きます。これを知ることで、次期型への期待や、現行型を今所有することの価値がより鮮明に見えてくるはずです。

プラットフォームの設計が限界を迎えているから

現行型の3代目ISは、実は2013年に登場して以来、骨格となるプラットフォームの基本設計を13年以上も使い続けています。2020年のビッグマイナーチェンジで走りの質感は劇的に向上しましたが、物理的なスペースや配線の取り回しなど、根本的な部分は先代からの継承です。

例えば、最新の予防安全パッケージや、大容量のバッテリーを搭載しようとしても、古い設計の骨格ではこれ以上のアップデートが物理的に難しい領域に達しています。無理に延命させるよりも、一度ラインナップを整理し、次世代へ力を割く方が合理的だと判断されました。

もちろん、熟成されたプラットフォームだからこその信頼性もあります。しかし、最新のライバル車と対等に戦い続けるには、土台そのものの刷新が避けられない課題だったのです。

騒音規制や環境規制への対応が難しいため

ガソリンモデルを終了に追い込んだ大きな壁は、年々厳しさを増す法規制です。特に「R51-03」と呼ばれる国際的な走行騒音規制は非常に厳しく、大排気量エンジンやスポーティなマフラーを持つIS350などは、この基準をクリアし続けることが難しくなりました。

さらに、燃費規制の強化も無視できません。メーカー全体で平均燃費を向上させなければならない中、燃費効率が最新のハイブリッドに劣る純ガソリン車の販売を続けることは、メーカーにとって大きなリスクとなります。

例えば、ファンに愛された3.5L V6エンジンの咆哮も、現代の静かさを求めるルールの中では、クリアすべきハードルが年々高くなっています。これらの規制に対応するためのコストをかけるなら、次期EVの開発に投資する。これが、レクサスが下した苦渋の決断の理由です。

世界的なセダン需要の低迷とSUVへのシフト

市場のトレンドがセダンからSUVへと完全に移り変わったことも、ISの縮小を加速させました。現在、レクサスの販売の主力は「NX」や「RX」といったSUVであり、セダンの市場シェアは世界的に見ても縮小の一途を辿っています。

特に北米や中国といった巨大市場では、セダンよりもEVのSUVが求められる傾向が強く、ISのようなコンパクトセダンに多額の開発費を投じ続けることが難しくなっています。

車を取り巻く市場環境の変化は、時に伝統あるモデルの形さえ変えてしまいます。主な要因を整理すると、以下の通りです。

  • レクサスの販売比率は今や8割近くがSUVやクロスオーバー車。
  • 欧州など一部地域では、セダン市場の縮小に伴いISの販売がすでに終わっている。
  • ユーザーの興味も「走りの良さ」より「使い勝手と電動化」へ移っている。

例えば、以前は「いつかはクラウンやIS」と考えていた層も、今は「次はNXやLBX」と考えるのが一般的になりました。セダンという形を守り続けるためには、一度立ち止まって、EVという新しい価値を見出す必要があったのです。

2026年に実施された3度目のマイナーチェンジ内容

「生産終了」の文字が並ぶ一方で、唯一生き残ったハイブリッドモデル(IS300h)には、驚くべきアップデートが施されました。2026年モデルとして登場したISは、13年選手とは思えないほどの「若返り」を果たしており、最新のレクサス車と並んでも見劣りしないデジタル環境を手に入れています。

この変更は、次期EVモデルが登場するまでの数年間、ISという名前を最前線に留めておくための執念の改良と言えます。具体的にどこが変わり、何が今の時代に追いついたのか、内装と外装、そしてシステムの変化を詳しく見ていきましょう。

12.3インチのフル液晶メーターで内装が近代化した

最大のトピックは、運転席の目の前に広がるメーターパネルの刷新です。長らくアナログ針と小さな液晶の組み合わせだったISのメーターが、ついに12.3インチのフルカラー液晶へと生まれ変わりました。

これにより、ナビゲーションの地図をメーター内に大きく表示したり、ハイブリッドシステムの動作状況をより詳細に把握したりすることが可能になりました。

例えば、最新のRXやNXと同じグラフィックが採用されたことで、乗り込んだ瞬間の「型落ち感」は完全に払拭されています。

注意点として、以前のISが持っていた「可動式リング」というメカニカルなギミックを好んでいたファンにとっては、少し寂しさを感じる変更かもしれません。しかし、表示できる情報の多さとカスタマイズの自由度は、以前とは比較にならないほど向上しています。

最新のインフォテインメントシステムを搭載

センターディスプレイ周辺のシステムも、最新の「レクサスリンク」世代へとアップデートされました。音声認識機能が大幅に強化され、「ヘイ、レクサス」と話しかけるだけで、エアコンの温度調整や目的地の設定がスムーズに行えるようになっています。

さらに、Apple CarPlayやAndroid Autoのワイヤレス接続にも対応しました。これまでのように、わざわざケーブルを繋ぐ煩わしさから解放されたのは、日常使いにおいて非常に大きなメリットです。

例えば、スマホをポケットに入れたまま車に乗り込み、すぐにお気に入りの音楽やGoogleマップを画面に映し出す。この当たり前の快適さが、ようやくISでも実現しました。

タッチパネルのレスポンスも改善されており、10年前の設計とは思えないほどキビキビと動作します。デジタル面での不満が解消されたことで、ISは「今、新車で買う価値のある車」として見事に返り咲きました。

エクステリアにレクサスの新世代デザインを採用

外観についても、細かながら印象を大きく変える変更が加えられています。フロントのスピンドルグリル内部のパターンが、最新のレクサスデザインに共通する「シームレス」な形状へと変更され、より未来的で洗練された表情になりました。

また、リアの「LEXUS」ロゴも、従来のマーク形式から、最新モデルで採用されている「バラ文字(L E X U S)」のタイポグラフィへと刷新されています。

一見すると以前と変わらないようですが、細かなパーツには最新のトレンドがしっかりと反映されています。

  • アルミホイールに新しいデザインとカラーバリエーションが追加。
  • ボディカラーに「ソニックカッパー」などの新世代カラーを設定。
  • リアコンビネーションランプの発光パターンがより緻密に変更。

例えば、信号待ちで後ろに並んだ際、バラ文字のロゴが光るISの姿は、最新のSUVラインナップと何ら変わらない現役感を感じさせます。

これらの改良により、IS300hは「古さを楽しむ車」ではなく、「最新のレクサスセダン」として、もうしばらく私たちの目を楽しませてくれることでしょう。

V8搭載の「IS500」を今から手に入れることは可能?

レクサスファンにとって、最もショッキングだったのはV8エンジンを搭載したモンスターマシン「IS500」の受注終了かもしれません。5.0Lの大排気量NAエンジンが奏でる咆哮は、電動化へと突き進む現代において、まさに「絶滅危惧種」とも言える特別な価値を持っていました。

しかし、2025年11月、レクサスはこの特別なモデルの新規注文を完全に締め切りました。もはやディーラーでハンコを押して、自分好みの仕様で工場から届くのを待つことは不可能です。では、今からIS500を手に入れる道は完全に閉ざされたのでしょうか?現状と打開策を解説します。

2025年11月をもって完全に受注を締め切った

IS500の受注終了は、事前の噂以上に唐突なものでした。メーカーの生産枠が限界に達し、さらに次なる環境規制の足音が迫っていたため、レクサスはこれ以上の注文を受けることができなくなりました。

例えば、かつては「いつかはお金が貯まったらIS500を」と考えていた方も多かったはずですが、その「いつか」は昨年末で終了してしまったのです。

現在は、全国の販売店で「商談中」となっていた最後の数台が納車されている段階であり、新規の商談が開始されることはありません。メーカーのウェブサイトからも、すでにIS500のコンフィギュレーターは削除されており、歴史の1ページへと移行してしまいました。

新車に近い個体を探すなら認定中古車(CPO)を狙おう

新車が無理でも、諦めるのはまだ早いです。今、IS500を最も確実、かつ安心して手に入れる方法は、レクサスの認定中古車「CPO」で探すことです。

CPOには、試乗車として使われていた個体や、初期のオーナーが手放した低走行車が定期的に入荷します。これらはレクサスの厳しい点検をクリアしており、新車と遜色ない保証が付帯しているのが大きな魅力です。

例えば、走行距離が数千キロ程度の「ほぼ新車」のような個体に出会える可能性もまだ十分にあります。

注意点として、IS500の希少価値が知れ渡っているため、CPOに出品されても数日、早ければ数時間で成約してしまう「争奪戦」の状態です。もし本気で探しているのであれば、近くのレクサス店に「IS500の出物があればすぐに連絡がほしい」と熱意を伝えておく必要があります。

最後のV8大排気量セダンとしてのプレミア価値

IS500を中古で探す際、多くの人が驚くのがその「価格」です。かつての新車価格よりも高い、あるいは同等の中古相場が形成されており、いわゆる「プレミア価格」がついています。

これは、IS500が「レクサス最後の純V8エンジン搭載セダン」になることが確定的だからです。今後、どれほど技術が進歩しても、このような大排気量NAエンジンが新車で世に出ることは二度とないでしょう。

車としての機能を超えて、一つの財産としての価値も高まっています。主な理由は以下の通りです。

  • 数年経っても価格が落ちにくい、あるいは上昇する可能性がある。
  • 世界中のコレクターが注目しており、日本国内だけでなく海外需要も高い。
  • 持っているだけで「歴史の一端を所有している」という満足感が得られる。

例えば、今IS500を1,000万円以上出して買ったとしても、数年後に売却する際の査定額が非常に高いため、実質的な「持ち出し費用」は意外と少なく済むかもしれません。

IS500を手に入れることは、単に速い車を買うことではなく、一つの文化遺産を保護することに近いと言えます。この機会を逃すと、二度と公道でV8の調べを楽しむチャンスは巡ってこないかもしれません。

後継モデルは電気自動車(BEV)へ一本化される見込み

現行型ISがハイブリッド一本に絞られた理由は、その先に「完全電動化」という壮大な未来が待っているからです。レクサスは2035年までに全世界で販売する車を100%BEVにするという目標を掲げており、次期ISはその戦略の先陣を切る重要なモデルと目されています。

「エンジンがなくなるのは寂しい」という声も大きいですが、レクサスが描く次期ISの姿は、これまでのエンジンの常識を超えた、新しい次元の走りを予感させるものです。コンセプトカーから見えてきた、次世代ISの姿を詳しく紐解いていきましょう。

「Electrified Sedan」コンセプトが次期型のベースに

2021年にレクサスが公開した「Lexus Electrified Sedan」というコンセプトカー。これこそが、次期型(4代目)ISのデザインスタディであることは、もはや公然の秘密です。低く構えたプロポーション、鋭い目つき、そして空力を追求した流麗なシルエットは、まさにISが歩むべき進化の形を体現しています。

電気自動車になることで、重いエンジンをフロントに積む必要がなくなるため、より低く、よりダイナミックなデザインが可能になります。

例えば、現行型では実現できなかったような「超ロングホイールベース」と「極短オーバーハング」の組み合わせにより、これまでにないほど美しいセダンが誕生するでしょう。

BEV専用のプラットフォームを採用することで、室内空間も現行型より大幅に広くなることが期待されています。「狭い」と言われ続けたISの弱点が、EV化によって克服されるのです。

2027年以降のワールドプレミアが有力視されている

気になる登場時期ですが、2026年現在はまだ開発の最終段階にあり、公式な発表は2027年以降になると予測されています。レクサスは現在、SUVの電動化を優先して進めており、セダンであるISは「レクサスの走りの味」を完成させる真打ちとして、じっくりと熟成されている段階です。

発売は2028年以降になる可能性が高いですが、その間にも2026年の改良型IS300hが私たちの繋ぎ役となってくれます。

例えば、東京モーターショーなどの大きな舞台で、市販モデルに近いプロトタイプがお披露目される日はそう遠くないはずです。

「今すぐISが欲しいけれど、EVも気になる」という方は、まずは現行型の最終熟成モデルを楽しみ、数年後に登場する革新的なEVへと乗り継ぐというプランが、最もレクサスの進化を肌で感じられる方法かもしれません。

4WD仕様では500馬力を超えるハイパフォーマンスEVへ

次期型ISがEVになることで、最も劇的に進化するのは「パワー」です。電気モーターはガソリンエンジンよりも圧倒的にレスポンスが良く、さらに前後にモーターを積む「DIRECT4」と呼ばれる制御システムにより、異次元の加速性能を手に入れることになります。

噂によれば、最上位モデルはシステム出力で500馬力を優に超え、0-100km/h加速は3秒台という、現行IS500を遥かに凌駕するスペックになると言われています。

ガソリンエンジンの常識を塗り替える、EVならではの強みがこちらです。

  • 地面を這うような低重心による、吸い付くようなコーナリング性能。
  • 大容量バッテリーを床下に敷き詰めることによる、圧倒的なボディ剛性。
  • 騒音源となるエンジンがないことによる、異次元の静けさと快適性。

例えば、V8エンジンの咆哮こそありませんが、アクセルを踏んだ瞬間に背中がシートに押し付けられるような加速感は、これまでのどんなISも提供できなかった新しい刺激になるはずです。

「EVのセダンなんてつまらない」という懸念を、レクサスは走りの質で黙らせようとしています。次期型ISは、単なるエコカーではなく、レクサスが誇る「最強のスポーツセダン」として生まれ変わろうとしているのです。

セダン不況の中でもレクサスISが愛され続ける理由

世界的に「セダン不況」と言われ、トヨタ・カムリが日本での販売を終えるなど、セダンというカテゴリーは風前の灯火に見えます。しかし、そんな中でもレクサスISだけは、依然として熱狂的なファンに支持され、中古車市場でも高い人気を保ち続けています。

なぜ、利便性の高いSUV全盛の時代に、あえてISを選ぶ人が絶えないのでしょうか。そこには、効率や広さといった数字だけでは測れない、ISならではの「絶対的な価値」があるからです。人々を惹きつけてやまないISの魅力を、3つの視点で再確認してみましょう。

日本の道路事情にマッチしたコンパクトなサイズ感

レクサスISが愛され続ける現実的な理由、それは「サイズ」です。上位モデルのESや、ライバルである欧州のセダンが軒並み巨大化する中、ISは日本の狭い路地や古い立体駐車場でも扱いやすいサイズを死守しています。

例えば、都心の住宅街でのすれ違いや、スーパーの狭い駐車スペースでも、ISなら気を使うことなくスッと入っていけます。この「気負わずに乗れる高級車」という立ち位置が、日本のユーザーにとっては何物にも代えがたい安心感となっています。

大きければ立派に見えるかもしれませんが、日本の道路において「使いやすいこと」はそれだけで強力な性能です。このサイズでこれだけの質感を持つ車が他に存在しないことこそが、ISが生き残っている最大の理由です。

FR(後輪駆動)セダンとしての高い運動性能

ISの根幹にあるのは、あくまで「走りの楽しさ」です。前輪で舵を取り、後輪で地面を蹴るFRというレイアウトが生み出す、素直で雑味のないハンドリングは、一度味わうとSUVやFF車には戻れない魅力があります。

2020年の大幅改良で導入された特別なショックアブソーバーや、足回りの剛性アップにより、その走りは今や熟成の域に達しています。

例えば、交差点を一つ曲がるだけで、ステアリングを通して伝わってくるタイヤの接地感や、車体が一体となって動く感覚に「おっ、いいな」と感じさせてくれます。

効率だけを考えればSUVの方が有利かもしれませんが、ドライバーと車が対話するような濃密な時間は、やはり低重心なFRセダンであるISでなければ提供できません。この「操る喜び」を求める層が、今もISのステアリングを握り続けています。

10年以上熟成されたことによる圧倒的な信頼性

「10年以上も同じ基本設計を使っている」という事実は、裏を返せば「すべての弱点が出尽くし、完璧に熟成されている」ということでもあります。初期のモデルで見られた細かな不具合は、年次改良のたびに一つひとつ丁寧に潰されてきました。

例えば、エンジンやハイブリッドシステム、トランスミッションといった主要なメカニズムは、今や「壊れる気がしない」と言われるほどの高い信頼性を誇ります。

長く作り続けられているモデルだからこそのメリットがこちらです。

  • 長い販売期間により、自分好みに仕上げるためのパーツが豊富にある。
  • 整備士も構造を熟知しており、点検や修理が迅速かつ確実に行える。
  • 物理的なボタンが多いインテリアは、ブラインドタッチがしやすく直感的。

最新のEVや新型車には、予期せぬトラブルや使い勝手の戸惑いがつきものですが、ISにはそれがないのです。

「最新」を追いかける疲れから解放され、確かな品質と使い慣れた道具としての安心感に包まれる。この「究極の安定感」こそが、ISが長く愛され続ける隠れた理由と言えるでしょう。

今あえて「現行型」のISを選ぶメリットと注意点

次期EVモデルの噂が聞こえてくる今、あえて現行型のISを新車や中古車で購入することには、非常に大きな意味があります。一方で、最新のライバル車と比較した際に、どうしても妥協しなければならないポイントがあるのも事実です。

「今、ISを買って後悔しないか?」という問いに答えるために、現行型ならではのメリットと、購入前に覚悟しておくべき注意点を正直にまとめました。あなたのライフスタイルにおいて、ISが「最高の一台」になるかどうかを見極める参考にしてください。

物理ボタンの使いやすさなどアナログの良さが残っている

最新の車の多くが、エアコンの操作までもタッチパネルに統合してしまっていますが、現行ISにはまだ「物理ボタン」が数多く残されています。温度調整やボリューム操作など、運転中に手探りで操作できる安心感は、一度失われるとその大切さが身に染みてわかります。

例えば、寒い朝に手袋をしたまま温度を上げたい時、画面を何度もタップするのと、ダイヤルを回すのでは、どちらがストレスが少ないかは明白です。

2026年の改良でメーターは液晶化されましたが、手に触れる部分の「心地よさ」は守り抜かれました。この「適度なアナログ感」は、次世代のEVモデルではおそらく失われてしまう貴重な価値です。

エンジン車特有の走行フィールを楽しめる最後のチャンス

次期型がEVに一本化されることが濃厚である以上、エンジンが主役のISを楽しめるのは、現行型が最後になります。ハイブリッドモデルであっても、時折かかるエンジンの鼓動や、アクセル操作に対する回転数の上昇といった感覚は、ガソリン車ならではの醍醐味です。

例えば、山道でパドルシフトを使って変速し、エンジンブレーキを効かせながらコーナーを抜ける。そんな一連の動作に喜びを感じる方にとって、現行ISは最後の聖域と言えます。

EVの凄まじい加速も魅力的ですが、機械が噛み合うフィーリングを愛する人にとって、今現行型を手に入れることは「一つの時代の終わりを共に過ごす」という贅沢な選択になります。

デジタル装備の鮮度は最新のライバル車に一歩譲る

一方で、注意点として挙げなければならないのが、やはり「設計の古さ」に起因する装備の限界です。2026年の改良でメーターやナビは新しくなりましたが、車全体の電子的な土台自体は10年前のものです。

例えば、最新のライバル車が搭載している「リモート駐車機能」や「高度な自動運転支援」といった最先端のギミックは、ISには搭載されていません。

日々の使い勝手において、最新車種と比べると以下のような物足りなさがあります。

  • スマートフォンをキーの代わりにする新機能などに対応していない。
  • 室内の間接照明の演出が地味で、夜の内装が少し暗く感じる。
  • USBポートの配置や数など、最新のデジタルデバイス環境にはやや不向き。

こうしたガジェット的な目新しさを重視する方にとっては、ISの内装は少し質素に感じてしまうかもしれません。ISを選ぶということは、流行の機能よりも「車としての走りの本質」を優先する、という意思表示でもあります。

生産終了モデルのリセールバリューはどう動く?

車を購入する際、将来いくらで売れるかという「リセールバリュー」は非常に重要な指標です。特にISのように一部モデルが生産終了となった場合、その中古車相場はこれまでとは全く異なる動きを見せることがあります。

「ガソリン車がなくなったことで価値が上がるのか?」「ハイブリッドは型落ちになると暴落するのか?」そんな疑問に答えるべく、2026年現在のリセール動向を分析しました。ISは、資産価値という面でも非常に興味深い特徴を持っています。

IS500は将来的に価格が高騰する可能性がある

まず、特別な存在である「IS500」については、もはや一般的な中古車としての枠を超えつつあります。生産が終了し、新規注文ができなくなったことで、価格が下がりにくい「投資対象」のような側面が出てきました。

例えば、走行距離が少なく、屋内で大切に保管されていたIS500であれば、数年後に購入時の価格を上回る「プレミア化」が起きる可能性も十分にあります。

大排気量V8エンジンというスペックは、時間が経つほどにその希少性が増していくからです。もし今、運良く程度の良いIS500を手にすることができれば、それは将来的に利益をもたらしてくれる財産になるかもしれません。

ハイブリッドモデルは中古車市場でも安定した人気

一方で、主力であるIS300hなどのハイブリッドモデルについては、爆発的な値上がりこそ期待できませんが、非常に「手堅い」相場を維持しています。燃費が良く、維持費が安いため、中古車としての需要が常に高いからです。

例えば、10万キロ近く走った個体であっても、レクサスというブランド力と信頼性の高さから、他メーカーのセダンよりも明らかに高い査定額がつくのが一般的です。

将来手放す時のことも考えるなら、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 「F SPORT」グレードであること(圧倒的に需要が高い)。
  • ホワイトノーヴァガラスフレークなどの定番の人気カラー。
  • サンルーフが装着されていること。

これらの条件を満たしていれば、数年乗って乗り換える際も、次の車への軍資金として十分な額を残してくれるはずです。ISは「買って損をしない車」の代表格と言えるでしょう。

生産終了が決定すると相場が強含みに推移する傾向

一般的に、新型車が出ると旧型は値下がりするものですが、ISのように「純ガソリンエンジンが消える」といった転換点では、あえて「古い方がいい」という逆転現象が起きることがあります。

IS350などのV6モデルは、その心地よいエンジンフィールを求めるファンによって、市場から在庫が消えるにつれて相場がじわじわと上昇する展開を見せています。

例えば、かつて「IS350」の中古を探していた人が、「もう新車で買えないなら、今のうちに程度の良い中古を確保しておこう」と動くためです。

もしガソリンモデルのISを狙っているなら、「もっと安くなるまで待とう」というのは得策ではありません。今が底値であり、これからは希少価値によって手が届きにくくなるフェーズに入っていると考えるべきです。

認定中古車(CPO)で理想のISを見極めるコツ

新車でのグレード選びが難しくなった今、レクサスISを手に入れるためのメイン舞台は「認定中古車」へと移りました。認定中古車は品質こそ折り紙付きですが、全国から集まる在庫の中から自分にぴったりの一台を見つけ出すには、少しのコツが必要です。

膨大な在庫リストを眺める前に、どのような条件で絞り込めば後悔のないISライフをスタートできるのか。中古車選びのプロも注目する、具体的な見極めポイントを伝授します。

2020年のビッグマイナーチェンジ以降の個体を優先

中古のISを探す際、最も重要な境界線は「2020年11月」です。ここで実施された大幅改良により、ISは見た目も走りも劇的な進化を遂げました。

もし予算が許すのであれば、これ以降のモデル、いわゆる「後期型」に絞って探すことを強くおすすめします。

例えば、前期型と後期型ではテールランプのデザインだけでなく、ボディの溶接方法から足回りのパーツまで別物と言えるほどの差があります。

後期型であれば、今回紹介した2026年モデルのデジタル装備には及びませんが、走りについては最新型と遜色ない「ISの完成形」を味わうことができます。

整備記録簿でバッテリーや消耗品の交換履歴を確認

レクサス車は頑丈ですが、ハイブリッドモデルを中古で選ぶ際は、整備記録簿のチェックが欠かせません。特にチェックしたいのは、ハイブリッドバッテリーの健康状態や、定期的なオイル交換が行われていたかです。

安心して長く乗れる個体を見極めるためのチェック項目がこちらです。

  • レクサスディーラーで12ヶ月点検、車検を継続的に受けている。
  • タイヤの溝や銘柄が、高級車にふさわしい適切なものに交換されている。
  • 過去にリコールや改善対策がすべて実施済みである。

例えば、前のオーナーが「レクサスケア」などの手厚い点検パックに入っていた個体は、消耗品が早めに交換されていることが多く、購入後の故障リスクを低く抑えられます。認定中古車であれば基本的には安心ですが、自分の目で「お世話されてきた歴史」を確認することで、愛着もより深まるはずです。

ホワイトノーヴァなど人気色は売却時も有利になる

中古車選びで迷ったら、ボディカラーは「ホワイトノーヴァガラスフレーク」などの人気色を選んでおいて損はありません。この色はF SPORT専用の白で、レクサスの造形美を最も引き立てる色として、中古車市場でも圧倒的な人気を誇ります。

例えば、少し珍しい色も魅力的ですが、売却時の査定額では白や黒に比べて大きな差がつくこともあります。

もちろん、自分が気に入った色に乗るのが一番ですが、「数年後に次期EVへ乗り継ぐ」というプランを描いているなら、リセールに強い色を選んでおくのが最も賢い戦略です。

装備についても、サンルーフやマークレビンソンのオーディオが付いている個体は、中古車市場で高く評価されやすく、手放す時まであなたを助けてくれるでしょう。

まとめ:レクサスISの今後はどうなる?

2026年現在、レクサスISは「ガソリンエンジンの幕引き」と「ハイブリッドの熟成」、そして「未来のEV」という、3つの時間が交差する極めて珍しい局面にあります。純ガソリンモデルはすでに生産を終え、その価値は希少性とともに高まりつつあります。一方で、唯一新車で買えるIS300hは、最新のデジタル装備を纏って「最後のアナログセダン」としての魅力を磨き上げました。

数年後に登場する次期型ISがEVへと舵を切る以上、エンジンという機械が生み出す鼓動や、日本の道にジャストフィットする現行型のパッケージを新車で楽しめる時間は、残りわずかです。「いつか」を待つのではなく、今この瞬間にしか味わえない熟成のISを手に入れることは、車好きにとって最も贅沢で、後悔のない選択となるはずです。伝統のスポーツセダンが紡いできた物語の最終章を、ぜひあなた自身のドライブで体験してください。

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